
30代姉妹の社長(右から2人目)・専務(右)コンビが誕生
2人でみそ蔵を守ると決めた姉妹。2019年から6年間、父親のもとで修業を重ねみそ造りを学んできました。
そして、6月2日、愛さんが5代目に就任。30代姉妹の社長・専務コンビが誕生しました。父・一夫さんは会長に。
従業員を前にあいさんがあいさつ。
姉・愛さん:
「みんなの支えがあれば、この喜多屋をもっとより良くなっていく、たくさんの人の笑顔をつくっていけると信じています。今以上に力を貸してください。どうぞよろしくお願いします」
県味噌工業協同組合連合会によりますと、県内のみそ蔵で30代姉妹の社長・専務コンビは「おそらく初めて」だということです。
妹・彩さん:
「最初のうちは大丈夫かなみたいなのがあったが、日に日にしっかりしてきて、やっぱりお姉ちゃんが社長で良かったなと思うことが多い」
父・一夫さん:
「だんだん責任が重大になってきて、本人もつらいところがあったと思います、きっと。それでもきょうまで頑張ってきたので、そういった点でも成長したなと思います」
2人が目指すのは、みそ蔵を未来につなぐこと。そして、業界全体を盛り上げることです。
みそ造りが盛んな信州。しかし、県味噌工業協同組合連合会によりますと、組合に加盟する県内のみそ蔵はピークだった昭和20年代の300余りから90弱まで減少しています。要因は食事の洋風化に伴う需要の減少と「後継者不足」です。

作業工程
妹・彩さん:
「ここがみそを熟成させる部屋になっています」
2人が2024年から始めたのがみそ造りの工程の「データ化」。大豆の煮こみ時間などを数字で記録し出来栄えを記録。誰でも安定したみそが造れるようデータを集めています。
父・一夫さんは長年の経験でみそを造ってきました。修業をしていた2人は戸惑うことも多かったと言います。
妹・彩さん:
「大豆の煮るタイミングとか温度変化とか全て会長(父)の頭の中にある経験則でやっていた。私が引き継いだ当初、言われた通りにやっても同じように大豆をゆでることができなくて、よりクオリティーの高いみそを造る、品質を保つというのもそうですし、今後の担い手の人たち、私たちの次の世代の人にもよりよい造り方を引き継げるようにとの願いもある」