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挫折を乗り越え決断…女子大学生が憧れの「芸妓」デビュー 一度途絶えた「上諏訪芸妓」が復活 「好きなことをやりながら夢をかなえる」芸妓も大学生も全力で 地元のためにも「諏訪の魅力を最大限に伝える」

■哲学を学びたい

大学の友人と前橋さん(右)

しかし、たまたま読んだ本が縁である学問に出会い、迷いが生じ始めます。それが「哲学」でした。

前橋亜季さん:
「自分の意思で初めてやりたいって思った学問かもしれないと思ったら、ちょっと捨てるのが惜しくて」

芸妓か、進学か―。

迷いながらも受験し、見事、大学に合格しました。

前橋亜季さん:
「すごく面白い先生で、毎週楽しみに来ています」

4年生になった今も、哲学を学ぶ喜びをかみしめています。

勉強に励む一方で「芸妓」になる夢も諦めませんでした。ふるさと・上諏訪で芸妓になろうと決めたのです。

江戸時代からの歴史が伝わる上諏訪温泉。昭和20~30年代には300人近い芸妓がいて、温泉街を盛り上げていました。

花街の文化は時代と共に衰退し、一度は途絶えましたが、「見番」は残りました。芸妓を派遣する、いわばプロダクションです。

前橋さんは、商工会議所などの協力を得て「諏訪大手見番」に所属し、2024年3月「美代遥」としてデビュー。「上諏訪芸妓」を復活させたのです。

前橋亜季さん:
「自分が生まれ育った町に恩返しできるなら頑張っていきたいなと」

大学の友人の反応は―。

友人:
「写真を見せてもらって、こんなことしてたんだ!って衝撃的で、より尊敬の度合いが上がりました」

■月4回ほど日本舞踊の稽古

稽古

前橋亜季さん:
「午後一番で授業に行きまして、2コマ受けてここに」

この日、大学から1時間半ほどかけてもう一つの「教室」に向かいました。

前橋亜季さん:
「よろしくお願い致します」

日本舞踊のお稽古です。松本にルーツがある「松風流」の師匠のもとへ、月4回ほど通い、今は新たな演目に挑んでいます。

「芸妓」たるもの、「芸」があってこそ。忙しい中でも踊りの鍛錬は手を抜きません。

前橋亜季さん:
「これがなきゃ芸妓と言えないというのが『踊り』だと思うんですけど、上達する余地が全然あると思ってるので(師匠に)一歩でも近づけるように」

「松風流」宗家二代目 松風光陽さん:
「同じ頃の年齢の方にしては、とてもよくお出来になると思うんですけど、芸事というのは100点満点というのがない世界なものですから、どこまでいっても頑張りましょうねと」

張りつめた空気の中、稽古が続きます。

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