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「ずっと泣いてばかりだった」能登・輪島に住民が集う「マルシェ」誕生 台風19号災害で被災した長野の住民が「恩返しの獅子舞」 経験したからわかる「被災者同士の復興の絆」

輪島市門前町で被災・柴田寿美香さん

その一人、門前町道下地区の柴田寿美香さん。自宅が全壊し、仮設住宅に家族3人で暮らしています。

輪島市門前町で被災・柴田寿美香さん(当時):
「先はやっぱり、不安しかないです」

復旧・復興の見通しが立たず不安が募る中、心の支えになっていたのが星野さんらボランティアとの交流です。

柴田さん:
「ボランティアで来てくださる人に会うのが楽しみなんです。待ってる時間が楽しくて、本当に気持ちも明るくなる」

長沼地区の住民と交流(提供:星野さん)

2025年7月、長野市で開かれた夏祭りに柴田さんの姿が。交流をきっかけに訪れ、能登支援のブースで海産物などを販売しました。

柴田寿美香さん:
「解体が進んだだけで復旧・復興はまだまだ進んでいないというのを皆さんに知ってほしい」

柴田さんは長沼地区の星野さんの店も訪れ、地域住民とも交流してきました。復興について語り合う中、輪島に憩いの場となるマルシェを立ち上げる計画を伝えました。

それを聞いた長沼地区の岩崎さんは―。

長沼地区の住民・岩崎弘幸さん:
「柴田さんたちも自分で被災しているし避難所にいるにもかかわらず、自分の地区を盛り上げようっていう行動をしていることにすごく感動しまして」

その時、岩崎さんは柴田さんとある「約束」を交わしました。

オープンを喜ぶ柴田さん(右)

その後、柴田さんら門前町道下地区の住民有志は、クラウドファンディングなどで支援を募りながらマルシェ設立に向け準備を進め11月24日、ついにオープンにこぎつけました。

交流を続けてきた星野さんもキッチンカーで出店。

長沼地区で飲食店経営・星野良和さん:
「きっかけは災害なんですけど、災害の中で生まれたご縁を大切にして、今後も支援の輪を広げていけたらいいなと思っています」

オープンにこぎつけた柴田さんは―。

柴田さん:
「ずっと泣いてばかりだったんですけど、きょうは皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。この場所がみんなの笑顔のあふれる楽しい空間になってもらえればうれしいです」

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