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なぜ、12月31日に「鯉」を食べる? 長野・佐久地域の“年取り魚”「ハレの日のごちそう」 食文化を残そうと料理講習会

「佐久鯉」を使った料理

信州の年末年始に欠かせない「年取り魚」と言えばサケとブリですが、佐久地域では「鯉」を食べる風習があります。12月11日、佐久市で特産の「佐久鯉」を使った料理講習会が開かれました。

12月11日、佐久市で開かれた料理講習会。メインの食材は、特産の「佐久鯉」です。

農村生活マイスターの女性2人が講師となり、「うま煮」と「アラ汁」の2品を調理しました。

この時期に講習会を開いたのには、わけがあります。

佐久市農村生活マイスター・長岡のり子さん:
「必ず31日のお年取りには鯉を食べる。それがもう昔から伝わっている伝統」

江戸時代に養殖が始まった佐久鯉。ハレの日のごちそうとして親しまれて、佐久地域では「お年取り」の定番にもなっています。

しかし、最近は調理の仕方が分からないという声も多くあり、市は、食文化を残していこうと料理講習会を開きました。

佐久市農村生活マイスター・長岡のり子さん:
「大きいほうを上にします。これはどうですか?」

こちらは、輪切りにした鯉の身をしょうゆ・砂糖・酒で煮る「うま煮」。切り身の表面積が大きいほうを上すると見栄えがよくなるそうです。

煮汁が少なくなるまでじっくり煮つめ、最後にみりんを入れて照りが出てきたら完成です。

続いては「アラ汁」。まず、鯉のアラをしっかりゆでます。

佐久市農村生活マイスター・長岡のり子さん:
「白いところ(あく)はうまみだから取っちゃわない、こういう黒いところだけ」

5分ほどたったらみそを溶き、味がなじむまで煮込みます。

最後にネギや豆腐を加えて完成です。

輪切りにした切り身を使う「鯉こく」も同じ調理方法で作れます。

みんなで「鯉のアラ汁」を試食―。

参加者:
「甘みがあって質のいい感じの脂身があっておいしい」
「少し骨が多かったけど、いつも食べる魚よりもおいしくて臭みがなくてよかった」
「作り方も意外にシンプル。こつも教えていただいたので(年末に)チャレンジしてみたい」

地域の食文化を学ぶ貴重な時間となったようです。

佐久市農村生活マイスター・長岡のり子さん:
「これ(食文化)が続いて次の代、次の代となっていけばうれしい」

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長野放送ニュース