
北海道十勝産大納言小豆
営業スタイルは変わりましたが、菓子の作り方は100年前からほとんど変わりません。
店自慢の「つぶあん」に使っているのは北海道十勝産大納言小豆。粒が大きいため、形がしっかりと残り、つぶあんに適しているといいます。
ひと晩水に漬けた小豆を火にかけ、硬さを見ながら蒸らします。程よい硬さになったら、大きな容器に移し替え、水でさらします。
永井さん:
「よし、いいな」

こだわりの「あんこ」
浮かんできた「泡」は「灰汁(あく)」です。
永井さん:
「これをやらないと、くどい甘さに」
灰汁が浮いてこなくなるまで水を替えていきます。こうすることで、まろやかな甘さのあんこに仕上がるということです。
その後、小豆を火にかけ砂糖を加えて練っていきます。丁寧な手作業は初代から引き継がれている伝統です。
永井さん:
「丁寧に作れと、うちのモットーはそこ。丁寧に作ると上品なものになる。味もそうだけど、姿かたちも」
こだわりの「あんこ」が完成。

あわぜんざい(「こしあん」使用)1500円
「茶寮」では「あんこ」を使った菓子を主に提供しています。
客は―。
神奈川県から来た客:
「おしるこのつぶあんが、粒もたっぷりで甘みもちょうどいい加減でとてもよかった」

田舎しるこ(1200円)
こちらの女性3人は、週に1度は店に通う常連です。
常連:
「いつもの味でとてもおいしい。小豆がいっぱい入ってる。水っぽくなくておいしい」
店頭販売で人気だった焼き団子などは、事前に注文を受ければ「テイクアウト」商品として販売することにしています。
みたらし焼きだんご(1本200円)、晴山堂名入最中(1個260円)は今後、テイクアウト商品に。

晴山堂茶寮 3代目・永井修一さん
事業は縮小しましたが、永井さんは100年続く伝統の味を今後も守り続けていきます。
晴山堂茶寮 3代目・永井修一さん:
「店を閉めるまでは、いいものを出していく。それに尽きるし、こだわりを持っている。丁寧に、もっと言えば大事にものを作る。その時代その時代のお客さんに受け入れてもらえて、この100年まできたのではないか。今後も私がそのようにやっていきたいと思っている」

