
2024年秋、エコクラブの子どもたちは、海洋ごみ問題で知られる三重県の答志島を訪れました。年間3000トンものごみが漂着するという浜辺で、子どもたちは海の環境問題と諏訪湖のつながりを学びました。
「ここに来るまで、諏訪湖と海がつながっているなんて考えたこともなかった」。参加した小学6年生の児童は、真剣な表情でそう語りました。「これからは、ごみを出さないように気をつけたい」

「太平洋へと注ぐ天竜川の源流である諏訪湖で起きていることは、すべて海につながっているんです」と小口さん。「私たちの活動は、諏訪湖だけでなく、日本の、そして地球の未来につながっているんです」

今、諏訪湖では新たな取り組みも始まっています。絶滅危惧種「メガネサナエ」の調査研究や、ヒシ群落と湖の生きものの関係性の調査、マイクロプラスチックの検査など、様々な活動が展開されています。
諏訪湖の浄化は、一つの奇跡を起こしました。しかし、それは終わりではなく、新たな挑戦の始まりでもあります。35年前、深刻な水質汚濁に見舞われていた諏訪湖が、市民の力で蘇ったように、これからの課題も、必ず解決への道が開けるはずです。

藤原さんが残した「人間は自然の一部」という言葉。その意味を、私たちは今、より深く理解し始めているのかもしれません。諏訪湖の未来は、まさに私たち一人ひとりの手の中にあるのです。
※この記事は、長野放送で2025年4月25日に放送した「NBSフォーカス∞信州 新時代の諏訪湖へ」をもとに作成しました。