■諏訪湖で羽を休めるカモの姿

「鳥ぱん」は諏訪湖で羽を休めるカモがモチーフ
そして、現在の鳥ぱんの形にしたのは、3代目の河西良助。
5代目・河西邦彦さん:
「3代目が本格的に和菓子を勉強して改良を重ねて、日夜、苦心して現在の形にしました」
明治40(1907)年ごろ、諏訪で見られるあるものをモチーフに、改良したのです。
5代目・河西邦彦さん:
「諏訪湖に飛来するカモを見て作り出したと」
「鳥ぱん」は諏訪湖で羽を休めるカモの姿。諏訪の銘菓として評判となり、大正期には当時の皇太子、のちの昭和天皇に献上されたこともあります。
■老舗の危機…「鳥ぱん」一本に

パンを成形
河西さんの父、4代目の博次さんは「鳥ぱん」を引き継いで駅前に出店。和菓子、洋菓子を扱う店として発展を遂げました。
55年前、20代で店を継いだ5代目の邦彦さんは、現在の場所に店を移し伝統を守ってきましたが。
5代目・河西邦彦さん:
「コロナが問題を起こしました。コロナのときに作っても売れなくて破棄する方が多かった」
江戸時代から続く老舗の危機。河西さんは大きな決断をしました。商品を「鳥ぱん」一本にしぼることにしたのです。
5代目・河西邦彦さん:
「その時だけ『鳥ぱん』は順調に売れて、『鳥ぱん』一本にしようと」
■全国から注目

「諏訪市推せんみやげ品」に認定される
長く地元の人に愛されてきた「鳥ぱん」ですが、今、全国から注目されています。
きっかけの一つが、「諏訪市推せんみやげ品」に認定され、地域を代表する土産品としてお墨付きを得たこと。

福岡から来店
そして、もう一つがインターネット。ホームページなどは展開していませんが、数年前、地図サービスの「口コミ」に情報を載せたことをきっかけに、全国から「鳥ぱん」を求めて客が来るようになったといいます。
福岡から客が。
福岡から(母親):
「グーグルマップで鳥の姿を見つけて、これは絶対行かないとと思って来ました」
試食も。
福岡から(子ども):
「甘さ控えめ、あんこがしっとりしていておいしいです」
福岡から(母親):
「塩味が効いていて香ばしい感じ、ピーナッツっぽい感じ」