
県上松技術専門校の修了生
特集は職人の卵たちです。長野県内で唯一、木工技術を学べる上松町の技術専門校。2024年度の訓練生39人が巣立ちの時を迎えました。夢や目標に向かってそれぞれの道を進み始めました。

県上松技術専門校の修了式
3月13日、上松町で開かれた「卒業式」。
修了生・倉持海音さん:
「ここでの生活と出会えた全ての人たちのことを思い出し、勇気を持って今後の人生を歩んでいきたい」

県上松技術専門校の修了式
県内で唯一、木工技術を学べる職業訓練校です。
「職人」を目指して切磋琢磨した1年間。
39人の訓練生が巣立っていきました。

夜も自主練
県上松技術専門校は1946(昭和21)年に開校。家具づくりなどを学ぶ「木工科」と漆塗りなど伝統工芸を学ぶ「木材造形科」があり、これまでにおよそ4000人を輩出しています。
2024年4月、18歳から66歳の39人が入校しました。
職人を目指し1年間、技術・知識を身に付けます。
29人は寮生活。“木工漬け”の毎日です。

アズース・エランさん
少しずつ技術が身に付いてきた2024年12月。
アズース・エランさん:
「(何を作っている?)テーブルです」
アメリカ出身のアズース・エランさん(37)がテーブルの製作に取り掛かっていました。卒業間近の毎年3月に開かれる集大成の場「技能祭」に向けた個人製作です。「技能祭」は訓練生の製品の発表と即売会を行っています。
エランさんは14年前に日本に留学した際、木工技術に惹かれました。2024年、日本人の妻と結婚し、愛知県に移住。憧れの職人を目指そうと入校しました。結婚後、すぐに寮生活を始めたエランさん。妻との暮らしを想像しながらテーブルを作ります。
アメリカ・フロリダ州出身・アズース・エランさん:
「卒業したら自分の家の家具を自分で作りたいと思って、こういうシンプルなテーブルがあったらいいなと思って今、練習中です」

土屋美稀さん
中野市出身の土屋美稀さん(26)。
入学当初は鉋掛けに苦戦も、12月には作業もスムーズに。
技能祭ではサイドテーブルを作りました。
中野市出身・土屋美稀さん:
「木の接合部をこういった感じで作りたくて、それが表現できるようなものでサイドテーブルを作りました」
土屋さんは元々インテリアコーディネーター、「作る側になりたい」と職人を目指しています。