
「卒業製作」に取り組む訓練生
特集は木工職人の卵たちです。長野県内で唯一、木工技術を学べる上松町の技術専門校で2024年度、18歳から66歳までの39人が学んでいます。まもなく巣立ちの時、訓練生はそれぞれの夢や目標に向かって1年の集大成となる「卒業製作」に取り組んでいます。

「卒業製作」に取り組む
作業に没頭しています。作っているのは、木の椅子や、机、棚もあります。
上松町の職業訓練校「県上松技術専門校」。県内で唯一、木工技術が学べる大人たちの学校です。
2月、訓練生たちは必死に製作に打ち込んでいました。
木工科・磯響貴さん(26):
「あと4日だか3日で終わらせなきゃいけない状態なので、大変です」
木工科・玉村秀和さん(54):
「最後の仕上げの段階にきているんですけど、なんとか間に合うように」
訓練生が目指しているのは「技能祭」です。毎年3月に行われる技能祭は訓練生が作った製品の発表と一般向けの販売を行い、例年、県内外から多くの人が訪れます。

県上松技術専門校・船山隆志指導員
県上松技術専門校・船山隆志指導員:
「(技能祭)晴れの舞台ですね、自分が作ったものが一般の人に買ってもらえる初めての経験の人もいますし、1年のうちで一番大きなイベント」
技能祭は訓練生にとって1年間「技専」で学んだことを発表する「集大成」の場です。

入校式
県上松技術専門校は終戦の翌年1946(昭和21)年開校。家具づくりなどを学ぶ「木工科」と漆塗りやろくろなど伝統工芸を学ぶ「木材造形科」があり、これまでにおよそ4000人を輩出しています。
2024年度は2つの科合わせて39人が入校しました。

製作
6割以上が県外出身で18歳から66歳と幅広い世代が1年間、職人を目指して訓練を受けてきました。
訓練生の大半、29人は寮生活を送り、まさに「木工漬け」の毎日です。

「漆塗り」の授業
木曽地域ならではの授業も。
「漆塗り」は手仕事の醍醐味・厳しさを知ってもらうため、すべての訓練生が学びました。