
営業を再開した長野県塩尻市唯一の銭湯「桑の湯」
特集は、復活した「昭和の銭湯」です。2024年、閉業した長野県塩尻市の銭湯が、年末、新たな経営体制の下、営業を再開しました。店長として95年続く歴史をつなぐのは、26歳の若者です。
■市内唯一の銭湯が新体制で営業再開

新たな経営体制で営業再開
1月5日―。
タイル張りの大きな風呂。少し熱めの湯に漬かれば身も心も癒やされます。
市内から(30代):
「温かさが直に来る感じで気持ちいいです」
昭和の面影を残す「桑の湯」。塩尻市唯一の銭湯です。
2024年6月に一度、閉業しましたが、年末、新たな経営体制で営業を再開し、新年を迎えました。
市内から(60代):
「広い湯船で入るのは気持ちいいですから、(営業再開は)ありがたいです」
■26歳の若者が店長に

薪をくべる店長の相良政之さん
釜に薪をくべるのは、店長の相良政之さん(26)です。
桑の湯 店長・相良政之さん(26):
「前からのお客さんが結構来ているのは、手応えとしてすごく感じています」
95年続いた歴史を26歳の若者がつなぎ、新たな歴史をつくり始めています。
■存続と願い声が相次ぐ

湯加減を確認する弘幸さん
「桑の湯」の創業は昭和4(1929)年。製材業を営んでいた桑沢逸雄さんが廃材を活用して始めました。
桑の湯 4代目・桑沢弘幸さん(2024年6月):
「小さな炎から、炎を大きくしていくのが、うちの一日の始まりです」
風呂はずっと、薪を焚いて沸かしてきました。
入浴客:
「(湯は)やわらかいですよ。油じゃないから、ヒリヒリしない」

母・桑沢節代さん
昭和、平成、令和と、4代目の弘幸さんと母・節代さんが守ってきましたが、設備の老朽化や2人の体力の衰えから閉じることに。
桑の湯 4代目・桑沢弘幸さん(2024年6月):
「もう無理だというのが、決断のつらいところで、苦しいところですね、胸が痛みます」
しかし、閉業を知らせると、存続を願う声が相次ぎ弘幸さんたちは後継者の募集を始めました。
■最終日は多くのファンが別れ惜しむ

にぎわう最終日(2024年6月30日)
復活を願いながら迎えた最後の営業。
市内から・70代:
「きょう、最後だというから来たの。寂しいね、こんなにいいお風呂あるのにね」