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死者ゼロ「白馬の奇跡」最大震度6弱 多くの建物倒壊も住民同士が助け合う 神城断層地震から10年 インバウンド観光が好調で住民増 防災面で新たな課題も 

神城断層地震で倒壊した家から住民の救出作業(2014年11月22日)

最大震度6弱を観測した神城断層地震から11月22日で10年。特集は「白馬の奇跡」と評価された村の今です。多くの建物被害が出た一方、住民同士の助け合いで死者をゼロに抑えた集落。新たな課題も浮上し、模索が続いています。

■死者ゼロ「白馬の奇跡」

神城断層地震(2014年11月22日)で倒壊した家から住民を救出

2014年11月22日、県北部で最大震度6弱の地震が発生。

あの晩、白馬村堀之内地区では多くの建物が倒壊しました。しかし、住民が協力して下敷きになった人を助け出し、犠牲者は「ゼロ」。のちに「白馬の奇跡」と呼ばれます。

■地震から10年経ち住民増加

当時の区長、鎌倉宏さん(右)と現在の区長、松沢喜彦さん(左)

あれから10年。堀之内では住宅の新築工事が進んでいます。

当時の堀之内地区の区長 鎌倉宏さん「人が増えることはいいことだよね。みんな区にも入るし協力的にやってくれているのでいい」

案内してくれたのは当時の区長、鎌倉宏さんと現在の区長、松沢喜彦さんです。地震の前、76世帯が暮らしていた堀之内。住まいが失われ一時30世帯に落ち込みました。その後、建て直しや村営住宅の整備が進み、今は72世帯に回復しました。村のインバウンド観光が近年、好調なことも影響していると言います。

現在の区長 松沢喜彦さん:
「村営住宅ができて若い人達が増えた」

この10年で住民が増えたことが今、防災面での新たな課題となっています。

■「白馬の奇跡」に繋がったマップ

当時の「支えあいマップ」

鎌倉宏さん(2015年):
「赤い丸が高齢者、病気や車を使えない人たちで黄色い丸が支援する人」

こちらは当時の「支えあいマップ」。緊急時に支援が必要な人の家などを地図に落としてあります。これを基に自主防災組織が機能し「白馬の奇跡」につながったとされています。鎌倉さんは近所同士、普段から声を掛け合う関係だったことも迅速な行動に結びついたと感じていました。

鎌倉宏さん(2015年の講演会で):
「白馬の奇跡として大きく報道に取り上げられました。しかしわれわれは奇跡とは思っていません。当たり前のことを当たり前に実行したまでです。地域の絆、人を思う助け合いの精神が家屋の下敷きになった人の早期発見、早期救出につながり、尊い人の命を守ったのです」

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長野放送ニュース

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