
6週間塩漬けに(提供:八ヶ岳トロバール)
仕入れたのは放牧豚。6週間塩漬けにし、約2カ月乾燥させた後、熟成を進めます。
思惑通り、茅野の気候は生ハムづくりに適していました。

熟成させる(提供:八ヶ岳トロバール)
フレンチシェフ・郷卓也さん:
「生ハムは東京にいたら作ることができない。何回か試したが、おいしいものができない。生ハムだけは環境がとても大事」

八ヶ岳トロバールの生ハム(税抜き800円)
八ヶ岳トロバールの生ハム。
郷さんのレストランはもちろんですが、地域の特産品になればと2023年から地元の直売所などで販売。

茅野市「AlgAe」のランチプレート
冒頭で紹介したレストランは得意先の一つです。(※生ハムの提供は不定期)
AlgAe オーナー・岡崎晶子さん:
「(地元に)加工品のお肉があるっていうのも楽しいですね、料理の幅が広がるし。安心して食べられるっていうところが一番おいしさにつながる」
■肉質の良い「セレ豚」

美しいピンク色の断面
この日、2人は2023年、仕込んだ生ハムの原木5本を吟味しました。
ロバート・コーネルさん:
「おいしそう」
美しいピンクの断面。

「おいしい!」
ロバート・コーネルさん:
「(食べて)うん。おいしい」
フレンチシェフ・郷卓也さん:
「味も香りも十分。素材のポテンシャルがしっかり出ていますね」

5本の味を吟味
吟味したのは、このうちの一つを6月16日、軽井沢町で開催される「生ハムフェスティバル」に出品するためです。

生ハムフェスティバル 札幌開催(2023年)提供:国産生ハム協会
フェスティバルは国産生ハム協会の主催。全国から集まった生ハムを愛好者や業界関係者が堪能する場です。
3年目にして審査をクリアし、PRのチャンスを得たのです。
あとはどれを出品するかー。

左から「LYB豚」、「セレ豚」
最初に食べたのは、ブランド豚の「セレ豚」。納得の味に仕上がりました。
もう一つは「LYB豚」。口当たりがよく、脂のうま味が特徴的です。いずれも郷さんが信頼する静岡の養豚場から仕入れたもの。
ロバート・コーネルさん:
「本当においしいですね、この脂」

肉質の良い「セレ豚」に決定
甲乙つけがたく、悩む二人。長時間悩んだ末にー
フレンチシェフ・郷卓也さん:
「今回はこちらのセレ豚で!」
肉質の良い「セレ豚」を出すことにしました。
八ヶ岳トロバール ロバート・コーネルさん:
「これはみんなにぜひ食べてもらいたいです」
■信州で新たな夢実現を

地元の直売所などで販売
日本を愛し、日本で挑戦を続けてきたコーネルさん。移住した信州でも新たな道を切り開いています。
八ヶ岳トロバール ロバート・コーネルさん:
「(挑戦は長野に来たから?)間違いなくそうです。東京ではそこまで夢は持てなかった。まず茅野市の人たちが八ヶ岳トロバールの生ハム大好き、と思っていただきたいなと。そこから発展していきたい」