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「今までありがとう」80代夫婦が営む商店が閉店へ 地域住民の暮らし支え40年 妻「後悔は一つもない」 95歳の常連客「寂しい」 今後は建物を集いの場に 夫「気楽に入って来られるように」

「そねはら商店」と曽根原和夫さん(85)マサさん(84)夫婦

長野県筑北村に80代夫妻が営む商店があります。二人三脚でおよそ40年営んできましたが、体力の衰えなどから4月末で閉店することに。今は常連客や地域住民に感謝しながら最後の日々を過ごしています。

筑北村の国道403号線沿いにある「そねはら商店」。カップラーメンなどの食料品のほか、ワインや焼酎などの酒類も販売しています。

店を営んでいるのは曽根原和夫さん(85)と妻のマサさん(84)夫婦。およそ40年営んできましたが、4月いっぱいで店を閉じることを決めました。

曽根原マサさん(84):
「後悔は一つも、悲しかったという記憶がない。楽しいことばっかしで」

そねはら商店は、1972年に坂北駅前でオープン。当時は、村内で他に扱う店がなかったブランドの化粧品を扱う化粧品店でした。

1980年からはより多くの人に訪れてもらいたいと、国道沿いの現在の場所に移転。化粧品だけでなく食料品や文房具、宅配便なども取り扱うようになりました。

曽根原和夫さん(85):
「最初はコンビニスタイルで始めたんですね。最初はまね事だったね、コンビニの」

夫婦二人三脚で地域住民の暮らしを支えてきましたが、5年ほど前に夫・和男さんが病気を患い視力が低下。夫婦ともに高齢で体力も衰えていることから4月末で閉店することを決めました。

曽根原和夫さん:
「今まで支えてもらってありがとうってこと」

曽根原マサさん:
「感謝しかないね。地域に対してもお客さまに対しても感謝しかない。切ない記憶がないもので」

常連客:
「ばあちゃん、いるかい」

閉店の日が近づき、連日、名残を惜しむ客が訪れています。この日、訪れた95歳の男性は、オープン当初から通う常連です。

常連客(95歳):
「本当に、みんなが寂しいと言っているよ」

曽根原マサさん:
「ありがとう」

夫婦の人柄もあり、店は、地域住民の憩いの場にもなっていました。

常連客(95歳):
「寂しいね、本当に自分がやっていたことをやめるような感じ。本当によく頑張ってくれた」

近隣住民:
「つい最近までタバコ買ってましたけどね。本当に寂しくなりますね」

4月末で店は閉じますが、曽根原さん夫婦は今後も店の建物を住民の集いの場として活用していきたいと考えています。

曽根原和夫さん:
「座る場所をつくって、誰でも入ってこれるような場所にしたいですね。今あるこの店はね、やめても気楽に入って来られるような場所にしたいです」

曽根原マサさん:
「今のお父さんの行く道を裏からそっと支えていきたい」

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