■「低出生体重児」のための手帳

この春、完成した「リトルベビーハンドブック」
高橋さんと栗木さんは、小さく生まれた子どもを持つ親のサークル「ひめりんごの会」の共同代表。
この春、2人に朗報がありました。2023年から県に要望してきた、ある「手帳」の配布が始まったのです。
高橋由里絵さん:
「本物?おおー」
栗木沙織さん:
「カラーでイラストもいっぱいあって見やすいなって」

長野県が作成した「リトルベビーハンドブック」
「ながの リトルベビーハンドブック たいせつなきみ」。
2500g以下で生まれた「低出生体重児」のための手帳です。

県 保健疾病対策課・嶋田マユミさん
県 保健疾病対策課・嶋田マユミさん:
「お母さんたちが不安だったり、落ち込んでしまったりする部分の精神的なフォローが目的。ゆっくりですが、必ず成長していくので、子どもの成長を実感できる手帳として使ってほしい」
■リトルベビーを育てた母親たちの声

県内の低出生体重児(厚生労働省「人口動態統計」)
県内の新生児は年間1万2000人余り。このうち低出生体重児は全体の約9%で、全国もほぼ同じ状況です。
高橋さんや栗木さんのケースのような1500g未満の「極低出生体重児」も一定数います。

予定より早く出産を迎えた(提供:栗木さん)
手帳はこうした子どもを持つ親に配布され、従来の母子手帳に加え活用してもらいます。
中心になって要望してきた栗木さん。自身の経験が行動のきっかけでした。
栗木さんは30歳で第1子を妊娠しました。妊娠8カ月の時に切迫早産で入院。

早く生まれたことへの不安が
羊水が少ないことがわかり、緊急帝王切開に。智矢ちゃんは31週で生まれたのです。
当時の母子手帳にはー。
(当時の母子手帳)
「すごく小さく生まれてきて、本当に不安だし産声がなくて怖かった。ごめんね。生まれてきてくれてありがとう。大変だけど、一緒に頑張って大きくなろうね」

初めての授乳は、綿棒に母乳を含ませて吸わせる(提供:栗木さん)
最初の「授乳」は、母乳を含ませた綿棒で。毎日、母乳を届け、コロナ禍で面会が制限される中、成長を見守ってきました。
栗木沙織さん:
「自分が退院先にしちゃうのが、申し訳なくて、なんかちょっと悲しくて。最初の方は、なんかちょっとノイローゼ気味というか」