
メイクを落とした熊谷村長
並べられたのは現像した5000枚から厳選した250枚。いずれも歌舞伎に携わる村民たちの「ラフな姿」です。
写真家・秦雅則さん:
「ぼくが気に入ってるのは、村長さんがメイクを落として、グレーになってるんですけど、顔がゾンビみたい。(舞台)終えて、顔ぐちゃぐちゃにオイルで溶かす時に声かけて『今いいですか』って」
役者でもある熊谷英俊村長のユニークな姿―。

歌舞伎が好きな女の子
役者以外の写真も。
飴をなめている女の子はー。
写真家・秦雅則さん:
「歌舞伎をしたいらしいんですけど、年齢的に自分はできないと。でも好きだから付いてきて、裏方の仕事も見てたんですね。これからをきっと担う子なんでしょうから」

「黒子」はフィクションの入り口
あの「黒子」の写真も。
なんだか奇妙な雰囲気です。
撮影した加藤さんも初めて作品を見ます。

石川さんの「黒子」
秦さんは、黒子を撮った理由を「フィクションの入り口にしたかったからだ」と明かしました。

「黒子」は何を表現?
写真家・秦雅則さん:
「ドキュメンタリーで大鹿歌舞伎を撮るという形ではないので、ドキュメンタリーとフィクションが混じっていくというシーンの中で、黒子は本来の歌舞伎にも出演しているけど、役者ではない、裏方。それに着目して主役にしていくことからフィクションが始まるという」

奇妙な雰囲気
村民カメラマン・加藤哲夫さん:
「黒子は『見える』けど『見えない』っていうことなんで、そういうことを考えると、『見えない』相手を撮ったということで面白かったですね」

ドキュメンタリーとフィクションが混じる
現実とフィクションを織り交ぜたユーモラスな世界観。
それを写真集に取り入れます。

「一人一人の人間味がよく伝わるような感じ」
黒子として協力した石川さんも会場へ。
一緒に来たのは長く歌舞伎に携わってきた祖父・片桐登さん(94)です。
大鹿歌舞伎の役者・石川かおりさん:
「一人一人の人間味がよく伝わるような感じがして、写真自体がおもしろい。歌舞伎に興味を持ってくれる人が増えたらいいなと思いました」