
ふっくらした顔立ちに、細い切れ長の目、黒や赤の豪華な衣装
ひな人形と言えばふっくらした顔立ちに、細い切れ長の目、黒や赤の豪華な衣装、といった印象を持つ人が多いかもしれませんが。

最近の売れ筋
今は小顔が主流で着物は淡い色が好まれるそうです。サイズも、三段飾りや男雛と女雛だけの平飾りが売れ筋です。
これには「住まいの変化」や「核家族化・少子化」が影響していると言います。

昔は広い住まいの中に飾る「七段飾り」も需要が
人形工房サンキュー佐久総本店・柏木長次店長:
「昔は親御さんたちとか同居していて、広い住まいの中におひなさまを飾るというケースがあった。だから七段飾りも需要としてありました。最近は若い人たちの住まいは(せまく)『ここに飾ろう』と寸法を決めて買いに来る人も多い。畳の部屋がないお宅も増えてきた。それに伴って、われわれの業界も畳の部屋じゃなくてフローリングの部屋にも合うようなものを提供しようと、作り始めた」
「お子さんが少ない分だけターゲットが絞られるじゃないですか、そうすると少しでも若い人に気に入ってもらえるものを作らなきゃいけない、それもひとつの裏事情かと思う」

平飾りを購入
最近、購入した人に何を基準で選んだのか聞いてみました。
平飾りを購入:
「あまり場所を取らないような大きすぎないものを選びました。片付けるのも大変なので、小さく収納できるようなものにしました」
平飾りを購入:
「お顔結構スマートだったり、細身な顔、あと着ているものがかわいくて、柄とか。サイズとね、家に飾れるくらいのサイズで…」
二段飾りを購入:
「色合いが珍しい紫色のやつで、他にない色だったので、気に入って」
子ども:
「おひなさまの、王冠みたいに乗ってるのが、かわいくて好き」

柏木店長
変化するひな飾り。
柏木店長は寂しさも感じています。
人形工房サンキュー佐久総本店・柏木長次店長:
「五人囃子がいない、随身がいない、仕丁さんがいない…」

2段目に飾られる「三人官女」と3段目に飾られる「五人囃子」
七段飾りは、童謡にも登場する「三人官女」や「五人囃子」など、15人で構成されるのが一般的。
さらに嫁入り道具も。
省略すると、従来の意味合いが薄れてしまうと言います。
人形工房サンキュー佐久総本店・柏木長次店長:
「おひなさまってどういう場面かというと『結婚式』なわけですよ。初節句を迎えるお子さんの行く末の姿…幸せな人生を歩みますようにと。ひとつの人生ドラマが15人の中にたくさん入ってるんです。だから歌(童謡の歌詞)を変えないといけないと思う」