■台風19号災害時は現場混乱

台風19号災害時の長野市の避難所(2019年)
これは2019年の台風19号災害の反省を踏まえたものです。
当時、54カ所の避難所に6100人余りが避難しましたが、「同行避難」の受け入れは記録が残る発災3日目以降で10カ所・23世帯でした。
職員が対応を熟知しておらず現場は混乱しました。
当時、避難所に身を寄せた女性。知り合いが猫と車中泊していたことを覚えています。あれから自身もハムスターを飼うようになり、不安を抱えていました。
ハムスターを多頭飼いする女性:
「ハムちゃんは(避難所で)同じ部屋にいられるのか、(ハムスターは)温度湿度の調整がナイーブな動物、寒くても死んで、暑すぎても死んでしまう。そこの対策を考えないと」
■「ペット同伴避難」に課題

「同行避難」と「同伴避難」
「同行避難」はできても自身が飼育・管理できる「同伴避難」はできるのか。

同行避難の訓練(提供:松本市)
県内では2023年、松本市が初めてペットと同じ空間で過ごせる「専用避難所」を1カ所指定しました。

台風19号災害後、避難所横に設けられたペット用のコンテナハウス(2019年、長野市)
一方、長野市は、原則、屋外の雨風が防げる場所に専用のスペースを確保、状況に応じて、屋内に専用スペースも設けるとしています。

ペット専用コンテナの中にケージを設置(2019年 長野市)
飼い主がペットとともに過ごす「同伴避難」では動物が苦手な人、アレルギーのある人など住み分けが必要で、スペースの確保やルール作りの難しさが壁となっています。

石川県金沢市の避難所では、屋内の一部でペットが過ごせるように(1月23日)
長野市動物愛護センター・笠原美絵獣医師:
「(飼い主とペットが)同じ部屋で避難生活を送れるかというと、そこはできないケースがほとんどではないかと思う。災害の状況、気候、ペットの状況など加味して柔軟に受け入れていくマニュアルにはなっている。まずは一緒に避難してきてほしい」
■いざという時…飼い主の備え

(災害時など)猫は洗濯ネットに入れてキャリーなどに入れて避難
一方、飼い主の備えや準備も必要です。
長野市動物愛護推進員・関祐子さん:
「(洗濯ネットに)頭から入れてもらって。(災害時など)猫はパニックに陥りやすいので、地震で割れた窓から逃げてしまったことも。洗濯ネットに入れてキャリーやクレートに入れるのが一番安全」