
お年寄りの暮らしを支える移動スーパー・とくし丸
特集は、移動販売車の仕事始めです。お年寄りの暮らしを支え長野県内でもその数を増やしている移動スーパー・とくし丸。元ケアマネージャーの女性がハンドルを握る信濃町での今年の運行初日に密着しました。

とくし丸・安藤陽子さん
おなじみのメロディを流して走る移動スーパー「とくし丸」。
とくし丸・安藤陽子さん:
「(地震で)ひどいお正月だったね」
客(74):
「涙が出てきちゃって」
信濃町で5年前から販売パートナーを務める安藤陽子さん(59)。
4日が「仕事始め」でした。

住民(右)の商品選びを手伝う安藤さん(左)
客(74):
「ハム」
とくし丸・安藤陽子さん:
「こういうの?」
客(74):
「そういうのと、ベーコンもください」
客(74):
「今週はお休みすると思ってたの。お休みもしないで、年がら年中ですよ。頭が下がります、ありがたい」

とくし丸・安藤陽子さん
とくし丸・安藤陽子さん:
「今年も1年、皆さんが元気でいてくれたらいいなという気持ちもあるし、今年は(地震もあり)特別、無事にお正月を過ごされたかなという気持ちもあるので、きょうはそんな気持ちで、改めてやらせてもらっている」

2019年に信濃町での運行を始める
「とくし丸」は徳島県の企業が2012年からフランチャイズ形式で手がける移動スーパー。高齢化の進展でいわゆる「買い物弱者」が増える中、現在、全国で1100台以上、県内でもおよそ50台が運行されています。
信濃町のスーパーが運行を始めたのは2019年。実は町の職員だった安藤さんが提案して始まりました。
スーパーは、以前からお年寄りのためにバスの送迎をしていました。しかし、ケアマネージャーとして高齢者と接していた安藤さんは「それだけではニーズに応えられない」と感じ、自ら販売パートナーになりました。
とくし丸・安藤陽子さん(当時):
「(バスに)乗っていけなくなった、荷物が重くて持てなくなったという人の落胆はすごくあった。そういう人に元気を届けたいというのが一番でした」