
月にいるウサギが餅つきをしているイメージ
特集は温かみのある木製の「からくりおもちゃ」です。作っているのは木工細工歴30年という長野市の69歳の男性。「遊び心」がある工夫が施されていて、作品の魅力を広めようと自宅で展示もしています。
■30年ほど前から趣味で木工細工

舟の上から魚を釣り上げる木製の「からくりおもちゃ」
ハンドルを回すと、そば打ちを始める人形。こちらは、舟の上から魚を釣り上げます。全て木製の「からくりおもちゃ」です。
作者は長野市豊野町の農家・土屋彰人さん(69)です。

作者の土屋彰人さん
30年ほど前から趣味で木工細工を始め、今は自宅の2階に30点ほどの作品を展示し一般にも開放しています。
土屋彰人さん:
「最終的には木の作品なんですけど、その間に自分の試行錯誤があって、そこが楽しくて」
■木の魅力は「肌触り」

JRに勤務していた頃の土屋さん(画像提供:土屋さん)
土屋さんは高校卒業後、電機メーカーを経てJRに勤務。
信号機の制御などに携わり55歳で早期退職して家業のリンゴ農家を継ぎました。

土屋さんの工房
木工細工は鉄道マンだった30年ほど前からの趣味。農作業の合い間に、自宅の資材置き場を改装した工房で作業をしています。
材料は知り合いの工務店などから譲ってもらった「端材」です。

作者の土屋彰人さん
土屋彰人さん
「一番最初は鉄工から始まったんですよ。機械作りが趣味で子どものおもちゃ作ったりしてる時に、木に興味持ちだして。(木の魅力は)肌触りでしょうね、手触りというか。プラスチックにはない温かみがいい」
■「ウッドクラフト展」で最高賞

初期の作品
木の質感を生かし最初は小物入れなどを作っていましたがー。
土屋彰人さん:
「展示会とかやるんですけど、見たお客さんが『土屋さん、これだけ?』って言うんです。『これだけ』って言われるのがすごく悔しくて。ただ飾ってあるとそれで終わっちゃうんですけど、動くものって魅力があるんですよ」

「丹波の森ウッドクラフト展」で最高賞を受賞した作品
見る人が驚くような作品をと、10年ほど前から取り組んでいるのが「からくりおもちゃ」
2017年には国内最大規模の「ウッドクラフト展」で最高賞のグランプリも獲得しました。
■独学で“からくりおもちゃ”

月にいるウサギが餅つきをしているイメージ
土屋彰人さん:
「満月を見て、お月さんにはうさぎがいると。うさぎは餅つきしますよね。そんなイメージから」
この日、組み立てていたのは月で暮らすうさぎをイメージした作品。