天寿を全うできる国に・・・
NBSアナウンサーが週替わりでに産経新聞に寄稿しているエッセイ「VOICE」
8月23日掲載分はわたくし宮本が担当しました。
以下に転載しました。
ご一読ください!!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「すべての子供を大人にしたい」
NBSで放送中のドラマ「グッド・ドクター」で、
小児外科医を目指す主人公が発するメッセージは実に明快です。
真っすぐな思いが伝わってきて、
家族に隠れて号泣しながら見ています。
アナウンサーになって3年目の夏、上田市にある「無言館」を訪れました。
画家を目指しながら赤紙一枚で召集され、
戦禍に散った若者たちの作品を集めた美術館です。
当時の私と同年代の青年たちが描いた絵を前にし、
その無念さを思い胸がつぶれました。
彼らは大人の入り口には立ちましたが、おじいさんにはなれませんでした。
おじいさんになるまで生きていれば、どんな人生が待っていたでしょうか。
画家として成功を収めた人はほんの一握りだったかもしれません。
それでも後悔も失敗も全部ひっくるめて、
一人一人にかけがえのない人生があったはずです。
終戦から73年。
日本が自分に与えられた命を全うできる国であり続けることを、
大人になれた一人として切に願っています。