「鴨、京都へ行く。」
連動企画「利之、京都へ行く。」

ドラマの中で主人公・上羽鴨は言った。
「チャンスなんて自分が望んだ時にやってくるわけない！」

ホントにそうだよなぁ。
人生の真理だよなぁ。


京都での学生時代、僕は信州に二回来ている。

一回は仲間と行った栂池高原への二泊三日のスキー旅行。
もう一回は夏の一か月住み込みで働いたリゾートホテルでのアルバイト。

そのホテルは白馬村にあり、
カフェテラスのすぐ先には白馬岳が聳えていた。
山岳県信州を強く感じた一か月だった。

仕事は主にレストランのウエイターで、
宿泊客のための朝食とディナー対応、昼は食事にやってくる観光客にサービスした。

仕事の休憩時間に、泊まり込んでいた宿舎で夏の高校野球を見た。
先日国民栄誉賞を受賞した松井秀喜が一回もバットを振れなかったあのゲームだ。
（僕は石川県出身なので当時高校野球では石川代表をひいきにしていた）

騒然とする観客席とは対照的に、
何度敬遠されても淡々と一塁に走る松井の姿が今も記憶に焼き付いている。

この試合、松井はスイングするチャンスを奪われた訳だが、
あの試合をバネにその後の松井の野球人生があったとすれば、
彼は完璧に成長するチャンスをものにしたということだろう。