利之、京都へ行く。第三話
火曜夜9時放送中のドラマ「鴨、京都へ行く。」
連動企画「利之、京都へ行く。」
第三話は旅館を通じて、
そこに来る客と働く人たちの知られざるつながりが描かれた回だった。
ところでこのドラマは全編京都ロケという、
連続ドラマでは珍しい手法で撮影が行われている。
京都は大学の多い街だ。
様々な大学の学生が集まるアルバイトの斡旋所があった。
そこには単発のアルバイト情報が紙で張り出してあり、
日時やアルバイト料、興味の湧く仕事など、
自分の都合に合わせて選べるシステムになっていた。
斡旋所でとりわけ人気が高かったのがエキストラのアルバイトだった。
京都はテレビや映画の時代劇撮影のメッカでもある。
時々エキストラ募集の張り紙があった。
ここでは募集人員を超える応募があると抽選になったが、
エキストラはほとんどの場合抽選になった。
僕は京都における学生生活で幸運にも2回
エキストラとして撮影に参加することができた。
一度目は京都太秦の撮影所内で、
二度目は滋賀県瀬田川での撮影だった。
どちらも太秦の衣装室で
時代劇用のカツラや衣装を身に着け撮影に臨んだ。
撮影現場を間近で見られるワクワク感もあったしアルバイト料もよかった。
日当で8千円程度、昼食にロケ弁当が出て、
水に濡れるようなシーンの撮影では水濡れ代としてもう千円追加された。
撮影されたシーンがどのように使われたかは知らないが、
僕も豆粒ぐらいには映っていたことだろう。
京都は僕がスクリーンやテレビデビューした
思い出の地でもあるのである。