利之、京都へ行く。第二話
火曜夜9時放送中のドラマ「鴨、京都へ行く。」
連動企画「利之、京都へ行く。」
ドラマでは主人公・上羽鴨が老舗旅館「上羽や」を
どのように変えていくのか!?あるいは変えられないのか!?
物語が少しづつ動き始めた第二話だった。
僕も学生時代、老舗旅館でアルバイトをしたことがある。
名を「鮒鶴」と言った。
京都の夏の風物詩に納涼床(ゆか)というのがある。
床というのは鴨川にせり出す様に設けられた食事処のことで、
川のせせらぎや景色を眺めながら食事ができることで、
夏はいつも予約で一杯だった。
僕は鮒鶴の厨房に入って仕事をした。
去年京都に行く機会があり、
何の気なしに「鮒鶴」の前を通りがかった。
看板には「FUNATSURU」の文字。
名残を留めていたのは名前だけで、
洒落たフレンチレストランに変わっていた。
この店に何があったのかは知らない。
時代の流れに合わせて業態を変えたのか、
経営が苦しくなりやむなく人手に渡ってしまったのか。
そういえば、鮒鶴にも旅館のことなら何でも知ってます!という、
ドラマの中の笹野高史さんのような立場の男性がいた。
当時、人気の理由は格式ある旅館の佇まいや
床の雰囲気にあると思っていたが、
案外あの男性の目配りや気遣いが店を支えていたのかもしれないと
ドラマを見て思った。