利之、京都へ行く。第一話
いよいよ春ドラマが始まった。
今回タイトルを見てこれはチェックせねばと
意気込んでいるのが「鴨、京都へ行く。」である。
なぜなら僕も18歳の春、田舎を飛び出し京都へ行ったからだ。
ドラマと連動しながら僕の京都時代の思い出を綴って行こう!
ドラマでは主人公・上羽鴨の名前の由来が、
市内を流れる鴨川にあるということだった。
京都に行って真っ先に覚えたのが
市内を南北に流れる鴨川だった。
そうして鴨川は出町柳を過ぎると
賀茂川と表記が変わることを教わった。
新潟県では信濃川なのが
長野県に入ると千曲川と名前が変わるようなものだが、
県をまたぐわけでもないのに名称が変わることに
ビックリしたのを今でも鮮明に覚えている。
鴨川または賀茂川の両岸は春になると満開の桜が彩った。
それは見事な桜並木だった。
川沿いにはベンチやグラウンドがあった。
そこで春の昼下がり野球をやったり昼寝をしたり...。
鴨川にかかる四条大橋から北の風景を眺め、
この姿は100年後も変わることがないのだろうと感慨に耽ったこともあった。
ドラマの中でもその映像があったが、
僕が見た23年前と何一つ変わっていなかった。
記憶にはないが、
川の流れを見つめながら
自分の行く末に思いを巡らせていたこともあったに違いない。
鴨川は京都人の心の拠り所であるとともに、
若者の夢や希望を乗せて流れてもいたのである。