■花街の衰退…先輩ゼロからの復活

「諏訪大手見番」を案内する前橋さん
前橋さんの新たな生活が始まりました。
前橋亜季さん:
「諏訪大手見番といいまして、今からここで支度をして仕事に出ます」
「諏訪大手見番」は料亭や旅館に芸妓を派遣する、いわば「事務所」です。
昭和20~30年代には300人近い芸妓が所属し、温泉街を盛り上げた「上諏訪芸妓」。
しかし、時代と共に花街の文化は衰退。
前橋亜季さん:
「こちらが稽古場になっています」
前橋さんが芸妓デビューしたとき、先輩はゼロ。
商工会議所などの協力を得て、一人で「上諏訪芸妓」を復活させた形です。
■「生活していけるか」抱える不安

上諏訪芸妓 美代遥・前橋亜季さん
仲間を増やしたい―
そのための一歩として、2025年から、一般の人向けに日本舞踊の稽古を企画。
これからは、「大手見番」を盛り上げることが自身の役割と感じています。
上諏訪芸妓 美代遥・前橋亜季さん:
「芸妓さんを一本でやるっていう(までの)助走期間が、準備期間が2年あったのがすごく良かったなと。いざ自分がやろうとしたときにぶつかる壁がものすごく成長材料になったなと」
一方で、就職した同級生と比べて、安定していない状況に、不安を抱えています。
上諏訪芸妓 美代遥・前橋亜季さん:
「本当のことを言えば、やっぱり不安が大きくて。生活していけるんだろうか、これをずっと何十年も続けていくべきなんだろうか、不安と葛藤とすごくごちゃごちゃで」
■元・舞妓が「見習いさん」に

美代遥さんと見習いの丸山理奈さん
そんな前橋さんの支えとなる存在がいます。
上諏訪芸妓 美代遥さん:
「見習いの『まるちゃん』です」
丸山理奈さん(23)。2025年秋から大手見番に通う「見習いさん」です。
着付けをすませ、前橋さんが上諏訪芸妓「美代遥」に。
仕事前に踊りを確認します。
すでに美しいしぐさが身についている丸山さん。
実は16歳から京都の置屋で修業していた元「舞妓さん」です。
22歳で一度はその世界を離れましたが、知り合いから耳にした美代遥さんのSNSを見たのが転機になりました。
見習いさん 丸山理奈さん:
「ものすごく楽しそうにやっているなっていうのがすごく印象的で、思い切ってもう一回頑張ろうっていう気持ちになりました」
上諏訪芸妓 美代遥さん:
「私を見て声をかけてくれたというのが一番うれしいですね。泣いちゃう。ふふふ」
見習いさん 丸山理奈さん:
「お一人で頑張ってきた分の力がすごいなって。一緒にいさせていただいて、楽しい気持ちもありますし、ついていきたいって思える姉さん」

