■制服に詰まる「あの日」の思い出

リメークされたぬいぐるみ
(制服にまつわるエピソード)
「勉強、部活、学校行事…当たりまえのように毎日着ていたのがこの制服です。中学2年生の終わりに起こった大きな地震。月曜日からはまた学校が始まると思っていた私は、この制服を部屋に置いたまま町の外に出ました。放射性物質がついている制服。持ち出す時に線量を測ってもらって、安全が確認できたので私の手元に戻ってきました。全く予想していなかった形でたくさんの思い出が詰まった制服が生まれ変わること、とてもうれしいです」
(制服にまつわるエピソード)
「双葉中学校の中で得た思い出は、自分の人生の中でとても大切なものです。この制服に触れると校舎の様子や、クラスメイトなどの同級生たち、後輩たち、先生たちの笑顔が思い出されます。これからもこの思い出たちとともに、笑顔あふれる人生を、精一杯生きていこうと思います」
訪れた人(東京から):
「クマが着ているのはかわいいですが、気持ち的には複雑な気がします。本当は(この制服を)着るはずだったのに、町外移転してしまったり、亡くなってしまったお子さんというのは少なからずいると思うので、そういった子どもたちの夢を乗せてかわいいクマが代弁してくれているような感じで、この取り組みはとてもいいと思う」
訪れた人(茨城から):
「思い出の品とかを直して、人形にできるのはとてもすばらしいことだと思うし、(双葉町に)来てみて現場の実際の状況とか出回っている情報との差を知ることができた。もともと興味がなかったけど、興味が高まりました」
■着られなかった制服が宝物に

高木舞さん
制服を見つめる1人の女性。浪江町出身の高木舞さん(28)。制服を寄せた一人です。
高木舞さん:
「やっぱりかわいいなと思いますね。気に入っていたので、セーラー服、私も3年間着たかった。この制服の数だけ学校もあって、そこに通っていた学生の皆さんも私と同じように原発の災害で地元を離れることになってしまったと思うと複雑な気持ち」
高木さんは、中学1年生の時に震災を経験。仙台の親戚の家に避難しそのまま浪江町に戻ることはありませんでした。
制服をリメークした・高木舞さん(浪江町出身):
「(母校は閉校し)学校もなくなってしまったので、自分の子どもがもし生まれたときに着せる機会もないので、こういう形でぬいぐるみの洋服として生まれ変わらせることができたのは、飾っておくことができるので良かった」
■記憶を未来への糧につなげる

高木さんの制服をリメークしたぬいぐるみ
つらい記憶もあれば―。
楽しかった記憶も―。
それぞれの震災の記憶が詰まった制服のリメーク。
その記憶を忘れず、未来への糧につなげてもらいたい―。
「心の復興」への願いがそこには込められています。
フレックスジャパン・唐木沢修さん:
「ふるさと双葉に自分たちの思い出があって、つらい部分もあったけど幸せだったときもある。その幸せだった思い出を未来への糧としてというようなことを感じ取ってもらいたい。そういう『心の復興』にお役に立てればいいなと」

