■「再生の町」での新たな挑戦

双葉町の復興産業拠点にオープンした「ひなた工房」
2011年3月11日。巨大地震と津波によって起きた原発事故。双葉町は、町全域が避難指示の対象になり、「全町避難」へ。住民は全国に散らばり、町から人の姿が消えました。
発生から11年がたった2022年、町中心部の避難指示が解除され、住民が住めるようになりました。原発事故で被災した市町村の中で最も遅い解除でした。
その翌年の2023年、双葉町の復興産業拠点にフレックスジャパンが「ひなた工房」をオープンさせました。
フレックスジャパンは千曲市に本社を置くシャツメーカーで、「軽井沢シャツ」などのブランドも手掛けています。その技術をいかし、震災からの「再生」に結びつけられないかと考え、始めたのが「服のリメーク」でした。
フレックスジャパン・矢島隆生社長(2023年):
「(衣服の)思い出だけを別の形にリメークして再生することができないかと。双葉町は東日本大震災、原発事故からの再生・復興の象徴と捉えられている町。再生の象徴の町から衣料品の再生の事業をやるということになれば、皆さんに知ってもらう機会が増えるかなと」
■32着の制服に詰まった思い

20校以上の中学、高校に呼びかけ寄せられた制服(提供:フレックスジャパン)
この取材から3年後の2026年2月。
再び双葉町を訪ねると―。
変わらず震災の爪痕が多く残っている一方、双葉駅周辺では復興公営住宅などができ、町のいたるところで再開発が進んでいました。3年前、町内に住む人は60人程度でしたが、2月末時点では200人以上となり、まだわずかではありますが、人が戻ってきています。
町の「再生」が進む中、フレックスジャパンが新たな「再生事業」として手掛けたのが、先ほどの「制服リメーク」です。双葉郡内の6町2村、20校以上の中学、高校に呼びかけ、寄せられた制服は全部で32着。(2026年2月末現在)
ひとつひとつ思い出の詰まった制服。
丁寧に手作業でリメークしました。
■「心の復興」願うプロジェクト

フレックスジャパン・唐木沢修さん
フレックスジャパン・唐木沢修さん:
「(双葉郡内の)学校も休校になっているところがほとんど、一部も取り壊されて廃校になってしまったところもあって。建物とかハード面がどんどん復興する中、心のケアとしての復興、ソフトな部分を復興するお手伝いというところで、今回の『ふたばのがっこう』(制服リメーク)はお役に立てるのかなと」
出来上がった制服は2026年1月から双葉町の施設で展示されています。
制服にまつわるエピソードも寄せてもらい、ぬいぐるみと一緒に展示しています。

