■「森の妖精」が生まれるまで

「森の妖精」
特にこだわっているのが花の色です。人気の赤やピンクは、鮮やかで発色の良さを追求。また、光によって青にも紫にも見える魅惑的な「ミスティックブルー」など、珍しい色の品種も手がけています。
そして、今までにない色を求めて誕生したのが、ライムグリーンのシクラメン「森の妖精」です。「これはシクラメンにない色っていうとこですね」と小松さん。
「真っ白の純白の品種を作ってたんです。その中に淡い色がちょこっと出たもんで。数鉢、何千鉢の中の数鉢だけ。それをだんだん研究重ねてやっとこの色にたどり着きました」。
「見たことない、すごい色だって。そういう声を聞くと嬉しいですね」と目を細めます。
珍しい色は専門店からの需要が高く、東京、大阪の花市場に出荷しています。
独自に交配して作り上げたオリジナル品種。名前を付けるのは妻の辰子さんの仕事です。「名前は本当に大事。一生懸命考えます。
森の妖精は花屋さんもかわいい名前だって言ってくれた。子どもみたいでかわいいよね」と笑顔で話します。
小松さんは言います。「消費者の皆さんが喜んでくれるような色を出したい。そういった色を出すために試行錯誤を重ねて交配して作り出すのが楽しい」。
産地・長野が誇るシクラメンは、生産者たちのたゆまぬ努力と情熱に支えられているのです。

