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「見たことない、すごい色」シクラメン産地で出会った新品種 長野県は出荷量全国1位 年末にかけて出荷ピーク こだわりと技術、挑戦を続ける生産者たち

■こだわりの管理で高品質を維持

シクラメン

形の良いシクラメンを作るために、宮沢さんは5000鉢という膨大な数を、ひとつひとつの状況に合わせて管理しています。高品質を維持するための、細やかな気配りです。

特に重要なのが「葉組み」と呼ばれる作業です。「葉っぱを外にやって、それを3回、4回繰り返して真ん中から花がたくさん綺麗に上がるようにっていうのをやっています」。

この地道な作業の積み重ねが、美しい形のシクラメンを生み出すのです。

今年の状況について尋ねると、「年々暑さの影響で成長が夏に止まっちゃったりして、ちょっと遅れ気味かなっていうのはあります」と正直に答えてくれました。

しかし、「ちゃんと管理して、暑さを乗り越えてきた花たちはもうみんないい感じに咲いてるんじゃないかなと思いますね」と自信をのぞかせます。

贈答用の高い技術を学びに、上伊那農業の高校生が実習で訪れることもあり、後進の育成にも尽力しています。

宮沢さんは語ります。「職人気質な人間なのでどうせならこだわりたい。買ってくれた人がずっと『いいものが欲しい』というのを作りたい。そうすれば景気が悪くなろうが好きなものは必ず買ってくれる」。

■8年かけて誕生した「プチティアラ」

原村の小松良比古さんが栽培するオリジナル品種プチティアラ

一方、原村には個性的なシクラメンを育てる生産者がいます。現在、農林水産省に品種登録をされているシクラメンは319品種。実際にはそれ以上の種類があると言われています。

小松良比古さんが力を入れているのは、オリジナル品種の栽培です。「これがプチティアラという品種。これが一番先にできた品種です」と紹介してくれたのは、王冠のような花弁が特徴的なシクラメン。

「普通のミニシクラメンの中に王冠みたいな花弁がちょっと変わったのを見つけまして、そこからだんだん選んで交配して商品になりました」。

ここまで行くのにかかった時間を尋ねると、「やっぱ8年かかりましたね」という答えが返ってきました。

小松さんが品種改良に取り組んだのは約30年前から。現在は、花の形や色に特徴がある7種類を育てています。

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