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ソムリエから転身 東京から移住の44歳男性が2年目のワイン造り「楽しそうな姿を子どもたちに見せたい」空き家増える中山間地 台風災害であふれた土で土壌改良も 長野

浅川葡萄農園・宋裕光さん

地域を元気づけるワイナリーです。11月20日は、今年収穫したブドウで造るボジョレー・ヌーボーが解禁されましたが、信州でも各地で醸造が始まっています。長野市の浅川地区でも、住民が協力して収穫を行い、2年目のワイン造りがスタートしました。

毎日、テイスティング

浅川葡萄農園・宋裕光さん:
「少しずつ、日々ワインになろうとしてます。皮と種から成分が抽出されている状態です」

長野市浅川地区でワイナリーを営む宋裕光さん(44)。今年のワイン造りが始まり、気の抜けない毎日が続いています。

宋裕光さん:
「毎日、テイスティング(味見)する。日々、味が変化します」


地域住民も手伝う

宋さんのワイナリー「浅川葡萄農園」は、長野市街地近郊の山際にあります。11月1日、地元住民など約30人が集まり、白ワイン用のブドウ「シャルドネ」の収穫に追われていました。

地元の住民:
「(収穫)作業は僕もこれで3~4回目になりますけど、はさみもこういうのが必要だってことで新調しまして」。

東京から:
「近所にこんなすてきな所があってうれしい。地域の方々と一緒に何かできるってなかなか東京ではない」

地元の住民:
「これを取るには切るのかな」

和気あいあいと進む作業。ワイナリーの運営を地域住民たちも手伝い、畑は皆がつながる場所にもなっています。

住民約80人と2万5000本の木を定植(2019年)

仙台市出身の宋さん。東京の飲食店で10年以上ソムリエを務め、オーストラリアでワイン造りを学びました。そして7年前、長野市に地域おこし協力隊員として移住しました。

取り組んだのは、浅川ダムの残土置き場だった約1.5ヘクタールでのブドウ栽培です。2019年、住民約80人と2万5000本の木を定植しました。

浅川はもともとリンゴ栽培が盛んですが、年々畑は減り続け、空き家が増えています。

浅川地区住民自治協議会・小川和夫さん:
「高齢化、少子化でしょ、この土地もそのままにしておけばクマの巣になっちゃうから。長野市近郊の中山間地を維持していってもらえればありがたい」

開墾から今年で8年。宋さんは2024年、醸造所も造り、浅川で初めてワインを完成させました。こだわりは農薬などはできるだけ使わず、自然な方法で造ること。華やかな香りと柔らかく優しい口当たり。余韻も楽しめます。

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長野放送ニュース