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クマ被害“過去最悪” 「緊急銃猟制度」で『公務員ガバメントハンター』が注目 全国で先駆けの長野・小諸市 メリットは「専門的知識」「ハンター目線」「捕獲までの流れがスムーズに」

大きなわなに交換後、再び現れたクマはわなの中へ入り捕獲

実際に真価を発揮した例があります。

2024年、生ごみを一時保管する倉庫にクマが現れました。前日も来ていて生ごみの味を覚えてしまったとみられます。

倉庫の横にわなを設置しましたが、わなには入りません。桜井さんはハンター目線で「わなのサイズが小さすぎるためクマが警戒している」と判断。

通常、わなの交換は2日ほどかかりますが、すぐに猟友会などと相談・連携しその日のうちに大きなわなに変えました。

すると13時間後、再び現れたクマはわなの中へ入り捕獲に至りました。体重10キロほどのオスの成獣でした。

北佐久連合猟友会・市川誠 副会長

北佐久連合猟友会の市川誠副会長も行政との調整がスムーズになったと話します。

北佐久連合猟友会・市川誠 副会長:
「行政がまず行って、その場でもう捕獲だと言ったら、(猟友会に)依頼をすれば済むという簡単な話になったかなと」

桜井さん:
「現場の判断とか調整については、ほぼ信頼をいただいていると自覚している。任せる、こちらの現場判断をもって実働するよと、その信頼関係の中で、スムーズにいろんな手続きを進められている」

■「緊急銃猟制度」で役割が重要に

秋田県横手市では、猟友会のハンターが緊急銃猟を実施(10月22日)

その役割がさらに重要となりそうなのが、法改正で2025年9月から施行された「緊急銃猟制度」です。

住宅街などに出没した場合、市町村の判断で銃を使用した捕獲ができるようになりました。

小諸市“ガバメントハンター”・桜井優祐さん:
「実際にこの場面で撃った時に大丈夫かどうか、撃つ方向性、周りの安全管理がこれでいいのか。実際に狩猟をやってる人、銃を取り扱ってる方であればより適切に(判断)できる」



小諸市“ガバメントハンター”・桜井優祐さん

また、民間ではなく「公務員」が現場で指揮することで責任の所在が明確になることもメリットの一つだということです。

相次ぐクマ被害。行政と猟友会などの狩猟者をつなぐ「ガバメントハンター」が今、注目されています。

小諸市“ガバメントハンター”・桜井優祐さん:
「地域性とか、これまでの出没の背景を分析しながら、出没の機会をどう減らしていくか、行政側として考えていきたい。捕獲に従事している皆さんと行政側の橋渡しできるような調整役として、今後も担えれば」

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