
麻酔で眠らされたクマ(提供:小諸市)
小諸市はクマ・イノシシ・シカなどによる農業被害を減らそうと全国に先駆けて2011年に専門の大学教授を「ガバメントハンター」に採用して始めました。
冒頭で紹介した桜井さんは、もともと一般職員として採用されましたが、銃猟や罠猟などの免許があったことから、2023年から「ガバメントハンター」になりました。
小諸市“ガバメントハンター”・桜井優祐さん:
「どう対策を取れば、鳥獣被害が減るのか。ただ防ぐだけでは問題解決に至りませんので、有害鳥獣駆除という形で、駆除の方も積極的に進めていかなければいけない」

小諸市“ガバメントハンター”・桜井優祐さん
この日の業務は設置したわなの確認作業。
小諸市“ガバメントハンター”・桜井優祐さん:
「シカ、イノシシ、クマはもちろん、中型のキツネ、タヌキなど中型獣もいます」
この場所は「保護区」となっていて通常の狩猟は禁止されていますが、国との調整で個体数管理のため市がわなを設置しています。
桜井さん:
「山林からすぐ目の前から畑が広がっていたりと、野生動物が出てきやすい場所に農耕地が広がっているというのが特色かもしれない」
■「専門的知識」「ハンター目線」

わなの確認作業
ガバメントハンターのメリット(1)「専門的知識」「ハンター目線」
ガバメントハンターが「専門的な知識」と「ハンター目線」でわなの設置などに当たるため野生鳥獣の捕獲数は劇的に増加。ニホンジカは設置前の2010年、年間44頭だったのに対し2016年には311頭と7倍以上に増えました。
桜井さん:
「狩猟者目線、ハンター目線でさまざまな調整とか業務のやり取り、捕獲に関わるやり取りを進めていくことができるというのが大きなメリット」
■「捕獲までの流れがスムーズに」

野生鳥獣の被害発生から捕獲までの流れ
ガバメントハンターのメリット(2)「捕獲までの流れがスムーズに」
そして、もう一つ大きなメリットが、被害などが発生した場合に「捕獲」までの流れがスムーズになったこと。これまで、クマ被害などが起きるとまず猟友会が現場を確認し行政に報告。行政が捕獲可否を判断し、猟友会へ依頼、実行といった手続きが必要でした。
「ガバメントハンター」が現場に行くことで「確認」から「捕獲依頼」をその場で行えるように。手続きが簡略化され、捕獲までの時間が格段に短くなりました。

