司法担当記者の解説。裁判のポイントは?
記者:
裁判の最大の争点が被告の『責任能力』です。被告に精神障害があり、事件の1年ほど前から被害女性2人から『ぼっち』と悪口を言われているという妄想を抱いていたことは検察側、弁護側とも共通しています。
一方で、主張が分かれているのが、『妄想が犯行に影響を与えたか』についてです。検察側は、『犯行を目撃され、通報されると思っていたこと』、母親に『絞首刑は嫌だ』と言っていたことなどから、『犯罪の重大性を的確に認識していて、善悪の判断力はあった』としています。
また、あらかじめ凶器を用意するなど計画性があったこと、目撃者には危害を加えていないことなどから、『犯行当時、自身をコントロールできていて、合理的な行動がとれていた』と主張しています。
一方、弁護側は、犯行時の被告は『統合失調症の症状が再発した状態で、正気と異常な状態を本人が認識できていなかった』としています。
その上で、4人の殺害は、『妄想に支配された行動で、善悪を判断し、その判断に従った行動をとることは著しく困難な心神耗弱の状態だった』と主張しています。
心神耗弱が認められると、刑は減軽されます。
検察と弁護側が提出した証拠と、8人の証人の証言、そして、被告の発言をもとに、裁判官と裁判員は判断することになります。
判決は、10月14日に言い渡される予定です。
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