
焙煎機にかけたコーヒー豆
定休日の店で行っていたのは、コーヒー豆の自家焙煎です。
過去に修業した店で焙煎の経験はありましたが、店を始めるにあたり、2代目の店主から「モカ」の焙煎方法を教わりました。
状態の悪い豆を手作業で取り除いたら焙煎機にかけます。「モカ」の時代から10年以上使われているものです。
店では7つの産地の豆を使用し、それぞれに適した温度や時間にあわせて焙煎します。
田中さん:
「コーヒーの味で一番気を付けているのは、それぞれの豆の良さを引き出すというところ。味変わったねとか、味落ちたねと言われるのははすごく嫌だったので、そこだけは気を使ってやってます」

接客する田中さん(左)
リニューアルオープンから3カ月。変わらないコーヒーの味と店の雰囲気を求め、この日も続々と客がやってきました。
女性客:
「とてもまろやかで、おいしかった」
田中さん:
「きょうのコーヒーは『モカ・マタリ』です」
こちらの男性は初代店主のころから通っているそうです。
男性客:
「(味は)変わらないと思います。最高の時間です。こういうお店がどんどんなくなっているので、残っていってほしい」
田中さん:
「変わらないねとか、相変わらずおいしいねって言ってくださる優しい方が多い。大事に守っていかないといけないよなと思いますよね。ずっと来てくださる方がいるんで」

日替わりランチ ザンギプレート(990円)
料理人である自身の強みを生かすため、食事のメニューも充実させました。
3代目のレシピを受け継ぎ、「すりごま」をトッピングしたグリーンカレーに出身地である北海道の鶏の唐揚げ「ザンギ」。鶏の仕入れ状況に応じて、日替わりランチで提供しています。
田中さん:
「はまる人が続出なんですよね、ザンギ。僕らは子どもの頃から食べているけど、長野の人には新鮮みたい」
客:
「(スーパーで)ザンギ売ってたんですよ。全然違う」
田中さん:
「北海道出身の方がいて、たまに食べに来てくれるけど、『これだよ、母ちゃんの味だ』って喜んでくれる」