
花火師・中田大和斗(20)さん
8月15日、長野県信濃町で二十歳を祝う会に合わせて60発の花火が上がりました。打ち上げたのは花火師として働く町出身の二十歳の男性。みんなが集まり心に残る思い出にしたいと企画しました。
夏の夜を彩る花火。8月15日、信濃町で打ち上げられました。企画したのは町出身の花火師、中田大和斗さん20歳です。この日開かれた二十歳を祝う会に合わせて打ち上げた「特別な花火」です。
花火師・中田大和斗(20)さん:
「(きょうは)夏の成人式でもあったので、信濃町でみんながもう一度集まる場所をつくりたいと」
信濃町では毎年、お盆の時期に「二十歳を祝う会」を開いています。中田さんも出席しました。
中田さんは子どもの頃から地区の祭りや、花火大会が大好きでした。そして、中学3年の頃、花火師になりたいと強く思う出来事が。
中田大和斗さん:
「コロナ禍の時、全国一斉花火の企画があり、近くに見に行った。あの時期は世の中が暗くなっていたが、あの日だけみんなが笑顔になっているなと、そこがすごいと思って」
高校卒業後、長野市の紅屋青木煙火店に就職。今は一人前を目指し修業しています。
中田さんの二十歳の誓いは-。
中田大和斗さん:
「信濃町で学んだことを今後に生かして、恩返しできるように自分の仕事と(信濃町を)結び付けられたら」

二十歳を祝う会に合わせて打ち上げられた花火
式の後、中田さんが向かったのは母校・信濃小中学校。「恩返し」の一つとして、自
身の花火で同級生や地域住民を集めみんなで二十歳を祝おうと考えたのです。
初めて1人で考えた約5分のプログラム。準備は煙火店の先輩や同僚が手伝いました。
中田大和斗さん:
「見て、あすから頑張ろうと思える勇気づける花火を作っていきたい」
午後7時すぎ、同級生約50人やその家族、地域住民が集まりました。
約5分間、60発が打ち上がりました。
信濃町のシンボル「黒姫山」の花火も―。
同級生:
「間近で迫力があって、同級生と見られて、同級生が(花火を)上げていて特別だった」
「想像を超えてきた。小学校から一緒で長い時間一緒に過ごしてきた友だちと楽しい花火が見られて楽しい時間だった」
中田大和斗さん:
「みんなが一つになって楽しかったと歓声が上がって、やってよかった」
みんなが集まり「思い出に残る二十歳を祝う日にしたい」。中田さんの思いが込められた「特別な花火」が信濃町の夏の夜を彩りました。
花火師・中田大和斗(20)さん:
「この職業に就く時、心の隅ではずっと育ってきた大好きな信濃町で仕事として関われたらいいと思っていたので、この経験から徐々にレベル、成果を上げて大きな現場で成功できる花火師になりたい」