YouTube X Instagram

「新たな視点で風景の魅力を」自販機の写真集が完成「田園風景にポツンと」「お地蔵さんが雪に埋もれているよう」3年半かけ1044カ所で撮影

移動中の吉村さん

撮影は、実家のある松本をスタートし、あらかじめ位置を入力した地図アプリを基に、車でめぐりました。

吉村和敏さん:
「地図上で分からない店舗ってあるんじゃないですか。その時は道という道を走り回ります。(一日)15店舗くらいを目標にしてるんですけど、きょうは8店舗しか撮れなかった、そういう時もあります」

苦節3年半でさまざまな風景に出会い、さらに編集に1年以上かけ、ついに7月、写真集が完成しました。

佐久市「協和店」

夏真っ盛りの、佐久市「協和店」。

吉村和敏さん:
「周りは田園風景。ポツンと自販機が置かれてるんですよ。雨上がりで、すごく絵になるんですよね」

中野市「永江店」

最北端に位置する、中野市「永江店」は、真冬に撮影。

裏表紙に採用したお気に入りです。

吉村和敏さん:
「お地蔵さんが雪に埋もれている光景、あれとダブるんですよね。心があるような感じがしてくるんです」

川上村「川上駅前店」

川上村「川上駅前店」。

吉村和敏さん:
「二宮金次郎の石像がぽつんと置かれていたんです。まさに日本を代表する風景だなと」

珍しく、道路沿いではない店舗。かつて駅の利用者を迎えたであろう、店の前。今はその役割を自動販売機が担っています。

吉村和敏さん:
「時代の移り変わりを見ることができるんですよね。それも魅力の一つです」

山梨「市川三郷4号店」

撮影は長くても30分。訪れるのは一度きりの「一期一会」です。

桜の満開と重なった山梨「市川三郷4号店」。

晴天の富士山をとらえた山梨「富士吉田上暮地店」。

完成した写真集を見たフローレンの菅野常務は―。

フローレン・菅野常務:
「単なる自販機の集合体にすぎないと思っていましたが、周りの風景と一体化しているようにも見え、1枚1枚、作品であるかのように感じました。感謝の気持ちでいっぱいです」

吉村さんも毎回、自販機を利用

撮影中、頻繁に訪れる利用客もカメラに収めました。

吉村和敏さん:
「そこで暮らしている人の気配を感じ取ることができる」

吉村和敏さん:
「どれにしようかな~」

吉村さんも毎回、自販機を利用。

吉村和敏さん:
「こうして暑い日に冷たいドリンクが出てくるってすごいことだと思います。冬になると温かくなるし、日本ってすごい国ですよね」

ハッピードリンクショップを撮影する吉村さん

自動販売機が盗まれたり壊れたりすることなく、管理が行き届いていることも日本ならではと感じる吉村さん。

写真家・吉村和敏さん:
「まだまだ魅力的な風景がたくさん眠っているし、視点を変えることによって、新しい世界が広がっていくんですよね。そうすると違った形で、信州の素晴らしさが見えてくると思うんです」

ハッピードリンクショップのある風景を通して、「信州の何気ない日常の景色の魅力を再発見してほしい」と願っています。

吉村和敏さん:
「でも売れないと思いますよ、売れないですよ、これは(笑い)。でも作るんです。いいんです、僕は楽しんでますから、自分なりに(笑)」

  • facebook
  • twitter
  • LINE
長野放送ニュース

あなたにおすすめ