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「新たな視点で風景の魅力を」自販機の写真集が完成「田園風景にポツンと」「お地蔵さんが雪に埋もれているよう」3年半かけ1044カ所で撮影

吉村和敏さん

そんな吉村さんにとって日本の「自動販売機」はいつか取り組みたいテーマでした。

吉村和敏さん:
「僕の中では、自動販売機がある風景というのが、日本の田舎を代表する一つの景観。信州の美しい自然の中にポツンと置かれた小さな美術館のような感じがしたんです」

吉村さんにとって自販機は、景観の「邪魔」ではなく、地域の生活を映し出す、風景の一部。

特に注目したのが故郷・信州のハッピードリンクショップでした。

ハッピードリンクショップ

店舗は、もともと卸売業を営んでいた山梨県の「フローレン」が2003年から展開しています。

フローレン・菅野照彦常務(2018年):
「(商店は)売り上げの低迷や高齢化など経営が難しい状態。何かその中で会社として新しい方向性をつくるべきだということで、始めたのがきっかけ」

商店主が高齢化し、コンビニも増える中、自販機を並べ豊富な品ぞろえで安く販売する独自の戦略で急成長。現在、長野・山梨を中心に約1200カ所に広がっています。

吉村さんは、コロナ禍で海外撮影ができなくなったのを機に「写真集を作りたい」と菅野常務に掛け合い、店舗リストを入手しました。

その時、菅野常務の胸の内は―。

フローレン・菅野照彦常務:
「世の中には物好きな人がいるんだな、と驚きました。売れるのかな?と心配にもなりました」

「安曇野三郷温店」

そして2020年夏、撮影を開始します。

吉村和敏さん:
「真正面からいつも撮るんですよ。ぎりぎりまでフレームに入れます。ここはかなり絵になるので、アングルを変えてみます」

気に入った店舗はさまざまなアングルを試します。

吉村和敏さん:
「(背後の蔵が)色合いもシックでその建物の前にカラフルな自動販売機がある。そのミスマッチが最高なんですよ」

ここ「安曇野三郷温店」は写真集でも1ページ全面で掲載。手前の軽自動車は、撮影のために購入した旅の相棒です。

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