
箕輪町の山林
この日の午後は箕輪町の山林へ。
倒木を片づけ、倒れる危険があるカラマツを伐採します。
林業は担い手の確保と育成が課題で、国は3年間で必要な知識や技術を教える研修制度「緑の雇用」で就業を後押ししています。

サムさんと先輩(右)
サムさんはその2年目。
重機を扱う資格を取るため、講習を受けつつ現場では先輩たちから技術を学びます。
先輩:
「きのう講習で寝とったもんで」
サムさん:
「寝てへんよ!寝てへん!寝てる人と、俺がちゃんと頑張ってるのは、(レベルが)一緒くらいだから」

カラマツを伐採するサムさん
すっかり打ち解けたサムさんですが、伐採が始まれば真剣なまなざしに。
高さ約30m、幹の直径約40cmのカラマツを伐採。
サムさん:
「(うまく切れました?)まあまあ、最初の1本はツルを残しすぎた」
切り口のバランスが悪く、幹が少し割けてしまいました。

サムさんと小牧義裕さん(手前)
指導にあたる先輩の小牧義裕さん。技術はもちろんですが何より「安全確保の徹底」を教えています。
サムさん:
「小牧さんはよく、おれがやってる危ないことを教える」
平沢林産・小牧義裕さん:
「最初はね、何が危ないか分からないから」
サムさん:
「全然分からなかったから、『サム!死ぬぞ!』」
小牧義裕さん:
「最初に安全に作業してもらうことが大事なので」
この道27年の小牧さんは、サムさんの憧れです。
サムさん:
「小牧さんは全部の仕事するから、重機!クレーン!ヒー イズ ザ・マン!林業マン!(そうなりたい?)うん、絶対!でも小牧さんのレベルまでなかなかいけないと思う。(頑張って!)はい、頑張ります!スーパーマンに!」

サムさん
2本目以降は順調に伐採。
今は基本の作業だけですが、今後は難易度の高い伐採や重機を使う作業にも挑戦しないといけません。
一人前になるにはまだまだ遠い道のりですが、サムさんは楽しみながら一歩ずつ前に進んでいます。
サムさん:
「林業ははすばらしい!仲間と外で仕事をするのは楽しい!すべてがいい!」
この日の作業は午後4時半ごろ終了。
ドーン・サムエル・フランシスさん:
「(終了ですか?)おれ、よく時間分からん!それもめっちゃいいポイント。この仕事、時計がない。おれ、それ大好きです!」
愛する家族と、熱中できる仕事。伊那谷の自然の中で、サムさんの奮闘が続きます。