■憧れていた場所で働ける

レストハウス部門・櫻井実咲さん
一方、牧場の隣のレストハウスに配属されたのは上田市の櫻井実咲さん(18)。この春、市内の高校を卒業しました。
レストハウス部門・櫻井実咲さん:
「家族で何度も訪れた場所でした。以前から憧れていたこの場所で働けることがすごく幸せ」
今はレストランで盛り付けや接客などを行っています。
櫻井さんの上司は―。
レストハウス部門・赤松祐樹部長:
「料理に興味があって、調理師の免許を取りたいと話をしているので、料理を作る方にも携わってもらえたら」
■京都府出身 大学は法学部

営業部門・林杏美果さん
営業部門に配属されたのは京都府出身の林杏美果さん(23)。この日はソフトクリームを箱詰めする作業に追われていました。
営業部門・林杏美果さん:
「(毎日)すごく楽しいです。毎日、飽きない。自然を見てて癒やされる」
子どもの頃から動物や自然が好きだった林さんでしたが、地元・京都の同志社大学法学部へ進学。
コロナ禍だったこともあり1年休学し、「ワーキング・ホリデー」制度を利用してオーストラリアへ留学した経験もあります。
そんな林さんがなぜ長門牧場に―。
林杏美果さん:
「自然が好きなので、ものを作る仕事(1次産業)が人間が生きていくにあたって重要な仕事だと思ったので」
農業や酪農など「1次産業」に興味はあったものの、学んではこなかった林さん。進路に悩みましたが、6次産業に力を入れている長門牧場ならば働けるのではと就職を決めました。配属されたのは「営業部門」で商品の企画・販売を担当しています。
林杏美果さん:
「(大学の法学部では)周りに牧場に就職した人はいなかったのでビックリされて、聞いたことがない環境でもあり(両親や友人が)応援してくれて、行ってみたいと思う友達も多くてうれしかった」
■狙いは?経歴も志望動機もバラバラ

新卒採用の4人
昔から通っていたファン、大学や専門学校で動物や自然を学んだ学生。そして、専門外の法学部出身者も。経歴も志望動機もバラバラな4人を採用した牧場。それこそが狙いです。
長門牧場・児玉洋子副社長:
「新卒を採用して、いろいろな才能や行きたいところへ異動ができて職場の活性化になるように。(例えば)関西の子もいるので関西の方にまた営業開拓するようなことも期待できるし、県外で得てきた経験も生かしてもらって」
これまで長門牧場は経験者や専門知識のある人を「中途」で採用することが中心でした。人手不足で採用も難しくなる中、様々な部署があることをアピールし、人材を確保。新卒採用者は異動の可能性もあり、酪農から加工、流通・販売まですべてができる人材を若いうちから育てることもできます。