■長い付き合いのお得意さまに接客

40年来の客(右)
婦人服売り場の山田さんにとっても最後の一日が始まりました。
婦人服店で40年以上勤務・山田みよ子さん:
「このセーターもかわいいですよ」
さっそく、長い付き合いのお得意さまが。サイズや好みもよく知っています。
最後はパンツを購入―。
40年来の客:
「お世話になって長いね、10年くらい?」
山田みよ子さん:
「もっとですよ。かれこれ…40年くらい(笑)」

客を見送る山田さん
40年来の客:
「気軽に相談しながらお買い物できましたし、クローゼット開けるとここの商品がほとんどです。お別れというと寂しいですけど、ありがとうという気持ちで」
山田みよ子さん:
「ありがとうございました」
40年来の客:
「しばらくはまだ着られそうだから、みんな」
山田みよ子さん:
「ありがとうございました」

30年来の客(右)
その後も山田さんを訪ねる客が次々と。
山田みよ子さん:
「これもね、うんと着やすいよ」
30年来の客:
「すごく着やすそう」
「やっぱり名残惜しい。山田さんにもありがとうございましたって言いたかった。とっても売るのがお上手、きょうもそうです、最後まで(笑)」

婦人服店で40年以上勤務・山田みよ子さん
井上で40年余り、多くの客に出会えたことが、山田さんの財産です。
婦人服店で40年以上勤務・山田みよこさん:
「今はね、楽しかったことしか頭に浮かびません。大勢の方とお話しできていろんなことを教えていただいたり、出会いは大切です」
1日中、多くの客が最後の時をかみしめながら買い物を楽しみました。
そして、午後6時半・閉店の時間。山田さんも笑顔で締めくくりました。
山田みよ子さん:
「この(胸の)中は切なさがあったんですけど、やっぱり、笑顔をつくるのは慣れてますから(笑)」
■閉店セレモニーではテーマソングも

「メロディーフェアへようこそ」
閉店セレモニー。
おなじみのテーマソング「メロディーフェアへようこそ」の演奏も。

閉店セレモニー中、涙を浮かべる女性
井上・井上裕社長:
「長い歴史の、多くの思い出の中に、本日の井上本店の閉店も記憶としてぜひ残してください。井上本店、長い間、本当にありがとうございました」

閉店セレモニーを見守る大勢の来店客(3月31日)
市民:
「本当に寂しい、悲しいというか」
孫:
「ちょっとさみしかった」
祖母:
「寂しいけど、しょうがないですね。アイシティまで、たまには出かけていこうと思います」
地域に愛された百貨店、45年の歴史に幕を下ろしました。