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「人生最後の忘れ物を」“75歳チャレンジャーズ”元社長夫婦が再出発 おふくろの味を再現「豆腐をもう一度」 閉店した商店がスーパーで復活

メイン商品のあんかけおぼろ豆腐

特集は豆腐店の再出発です。長野市で90年以上親しまれ、2024年閉店した「塚田五六商店」。「もう一度、豆腐を作って売りたい」と元社長夫婦が、このほど、スーパーのスタッフとなって再出発を果たしました。

■「75歳のチャレンジャーズ」

左:妻の千代さん 右:塚田芳郎さん

できたてのおぼろ豆腐に、「あん」をかけて。

郷土食の「にらせんべい」。

作っているのは塚田芳郎さん(74)と千代さん(73)の夫婦です。


もんぜんぷら座

ここは長野市のもんぜんぷら座内にあるスーパー「TOMATO食品館」。2人は厨房のスタッフとして2月8日から働いています。

実は、塚田さん、2024年、閉店した豆腐店「塚田五六商店」の元社長。夫婦で「もう一度」と再出発したのです。

「塚田五六商店」元社長・塚田芳郎さん:
「2人だけでやろうか、できる範囲内で良いものを作っていこうと今回始めた。75歳のチャレンジャーズです」

■街の「お豆腐屋さん」から成長

かつての「塚田五六商店」の工場

市内に工場を構えていた「塚田五六商店」。創業者は塚田さんの父・五六さん。1932年、善光寺の近くに店を構えました。

当初は一日60丁ほどの販売でしたが、工場を建設して機械化を進め、2000年代には9000丁を超えるまでに。

街の「お豆腐屋さん」から食品メーカーに成長しました。

きんぴらごぼうや切り干し大根などの総菜も好調となり、「移動販売」の他、専門店「五六亭」を市内に3店舗、展開しました。

■大手メーカーとの価格競争

「五六亭」の移動販売車

しかし、大型スーパーが出店した影響で5年ほどで撤退。

2010年、塚田さんが社長になった頃には大手メーカーとの価格競争に勝てなくなり、売り上げが減少。

2020年、同じ大豆製品を扱うメーカーの傘下になりますが、業績は回復せず、2024年3月末、ついに閉店となりました。

■閉店から10カ月

豆腐の最後の試作(2月7日)

それから10カ月―。

塚田芳郎さん:
「最後くらいは自分の納得のいくものを作りたいという気持ちが強くなりまして」

閉店後も塚田さんは「再び豆腐を売りたい」と試作と売り場探しを続けてきました。

売り場は夫婦でスーパーの厨房に入って働く形で確保。そして、この日、豆腐の「最後の試作」に取り掛かりました。

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長野放送ニュース

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