■最高裁で「弁論」

最高裁(2024年12月13日)
東京高検の上告を受けて最高裁は2024年12月、判決を見直すのに必要な「弁論」を開きました。検察側は「道交法の解釈を誤っており、被告の行動を過小評価している」と主張。
一方、弁護側は二審判決を支持しつつ、既に過失運転致死罪で処罰が確定しており、「別々に処罰する理由はない」といわゆる一事不再理の原則を主張しました。
■両親「絶対に救護義務違反」

父・和田善光さん
事故から3月で10年。2月7日、両親は最高裁を傍聴する予定です。
樹生さんの父・和田善光さん:
「われわれは絶対に救護義務違反だと思っているので、救護義務違反だという判決が下されることを願っている」

母・和田真理さん
樹生さんの母・和田真理さん:
「(違反が認められれば)本当に悔しい思いをして亡くなった、命を奪われた樹生も少しは救われるのではないかと思っている」
■専門家「高裁差し戻し」の可能性

東京都立大学・星周一郎教授
事故後の行動をどう解釈するか。専門家は、「弁論」が開かれていることなどから「高裁差し戻し」の可能性があると指摘します。
東京都立大学・星周一郎教授(刑事訴訟法・交通犯罪に詳しい):
「救護義務を果たしたと言えるかどうかを判断する基準としての『直ちに』というのが、どういうような場合を指しているのかの判断。今回、最高裁の判断が示されるということでは大きな意義を持ってると思う」

事件現場(2015年3月)
教授は判決の重要性を指摘した上で高裁へ差し戻される可能性が高いとみています。
東京都立大学・星周一郎教授:
「最高裁では事実関係の評価をしないという原則があるので、東京高裁の判断が間違っていたということであれば、もう1回事件を東京高裁で審理しなさいという、『破棄差し戻し』になる可能性が一番高いかなと思います。法解釈のところで判断を変えるだけでいいということであれば、最高裁が『破棄自判』するというパターンもある」
最高裁の判決の言い渡しは2月7日午後3時の予定です。