
長野市内で保護された雷(らい)仮名・推定10歳
犬や猫の「殺処分ゼロ」に取り組む長野市が、動物愛護のふるさと納税への協力を呼びかけています。寄附金で救われる命。後を絶たない過剰繁殖と向き合う活動に、理解と協力を求めています。
■毛玉だらけで糞尿まみれ

保護された当時の「雷」(提供:長野市動物愛護センター)
推定10歳のオスの猫。「雷(らい)」(仮名)。耳は聞こえません。
2024年11月、長野市内で保護されました。そのときの様子です。「コンビニ店の前に衰弱したネコがいる」保健所に通報がありました。長い毛がフェルト状に固まり、足も動かせない状態でした。

ながの鈴ねこの会・後藤久美さん
保護ボランティア・後藤久美さん:
「毛玉だらけで糞尿まみれ、臭いもすごかったので、ガリガリに痩せていましたし、表情もないというか」
保護ボランティアの後藤久美さん。1カ月前から譲渡に向けて自宅で世話をしています。
■少しずつ表情が柔らかく

毛を全て短く刈り、動物病院で治療を受けた「雷」
保健所では他のネコを怖がり、威嚇し続けたと言います。
「雷」は毛を全て短く刈り、動物病院で治療を受けました。

自宅で「雷」を世話する後藤さん
保護ボランティア・後藤久美さん:
「(毛が伸びたら)きっとすごいゴージャスになると思います」
暖かい部屋で静かに過ごす日々。体と心を少しずつ癒やしています。
後藤久美さん:
「表情も柔らかくなったし、世話にくると、『うれしい、来てくれた』って喜んでくれるようになった」
■治療費は「ふるさと納税」から

動物愛護センターの猫舎(長野市)
「雷」の治療費、実は「ふるさと納税」の寄付金で賄われました。
2018年度、長野市は全国の自治体に先駆け動物愛護のふるさと納税をスタートさせました。4年で2億4800万円余りが集まり、老朽化した犬舎の改修や猫舎の建設にも使われました。
■目的は「殺処分」をなくす

移動手術車
今年度の予算は2200万円。その6割は「猫の繁殖制限事業」、去勢や不妊手術の助成です。
移動手術車で各地に赴く、しんけん動物病院の松木信賢獣医師。保健所やボランティアと連携し、住民から相談のあった野良猫や地域でエサをやっているいわゆる「地域猫」の手術をしています。