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「小さな成功、それが成長に」ダウン症の少年も熱演 みんな主役“ソーシャルサーカス” 演出家「多様性を認め合う一歩になれば」

ムーンナイトサーカスに出演した大坪太樹さん(14)(手前)

特集は障がいがある人も出演したサーカスのステージです。「ソーシャルサーカス」と呼ばれるジャンルで欧米で盛んに行われている取り組みです。舞台に立つのを楽しみにしていたダウン症の少年を密着取材しました。

■障がいのある人もステージに

車いすのキャストも

12月21日、松本市―。

空中の華麗な演技に、ジャグリングの妙技も。松本市で開催された「ムーンナイトサーカス」のステージです。

キャストの中には車いすの人も。


ムーンナイトサーカス(12月21日、松本市)

客:
「迫力がすごくて勇気をもらえました」

「すごく華やかで、終始ドキドキわくわくするような演技で楽しかったです」

■フランスでサーカス学ぶ

演出家・金井ケイスケさん

手掛けたのは松本市在住の演出家・金井ケイスケさん(52)。取り組んでいるのはいわゆる「ソーシャルサーカス」です。

演出家・金井ケイスケさん(52):
「本当の意味でのいろんな人たち、障がいのある人も含めて、子どもも大人もみんなが一緒につくり上げるサーカス」

金井さんは東京都の出身。「大道芸」に魅了され、中学を卒業するとすぐに劇団に入りました。その後、フランスのサーカス団の公演を見て、衝撃を受けたと言います。

金井ケイスケさん:
「海外の“現代サーカス”というジャンルがありまして、すごく自由な表現をしていた。芸術的なことをやりながらも、どこかでその大衆的なもの」

金井さんが影響を受けた「現代サーカス」

「現代サーカス」は、フランスが発祥とされ、昔のような猛獣が曲芸をするのではなく人間が自身の体を駆使してパフォーマンスを披露します。

金井さんはフランスに渡り、日本人で初めて国立サーカス大学に入学しました。

金井ケイスケさん:
「私のような日本人をサーカス学校の学生同士でみんなでフォローし合って、言葉が通じなくても一緒に作品作れるんだって(実感した)。言葉とか民族とか、人種を超えて、みんなで楽しめるものというのが分かった」

■サーカスで自己肯定感や協調性育む

「ソーシャルサーカス」を実践してきた

その経験を基に、卒業後、仲間とサーカス団を結成し紛争や貧困にあえぐ地域も含め35カ国以上で活動。困難を抱える人たちの自己肯定感や協調性を育む「ソーシャルサーカス」を実践してきました。

金井ケイスケさん:
「マイノリティーの人たちとか、社会の中で生きづらさを感じている人たちとも一緒にできる。そういう人たちが社会に溶け込むように、一つのツールとしてサーカスが機能している」

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