「まさか自分が…」医学生時代に下半身まひ リハビリ支える“車いすの医師”「自分らしく生きて」 自身の経験を生かし患者に寄り添う

長野県立総合リハビリテーションセンターの加藤雄大医師

特集は、車いすの医師です。学生時代にけがをし、下半身まひとなり車いす生活となりましたが、自身の経験を生かしてリハビリテーションの医師となり、患者に寄り添っています。

■懸命のリハビリ重ね、医療現場に

車いすに乗り、患者に声をかける加藤医師

手すりを伝って歩く練習をする患者。その後ろで見守る車いすの男性がいます。

「長野県立総合リハビリテーションセンター」の加藤雄大医師（35）です。

加藤雄大医師：
「これだけ手すりで歩けていれば実用的」

加藤雄大医師：
「力ついてきたみたいですね」

患者：
「ありがたいですよね」

患者（80代）：
「（加藤先生はどんな先生？）やさしい、とにかく優しいですよ。きついこと言われたことない」

加藤雄大医師

加藤雄大医師：
「自分の似た境遇の患者や、別の疾患だけど障がいを負ってしまった方に接することが多い。そういう方の回復の手助けが少しでもできればと思っていて、難しさはありますけど、その難しさも患者さんとのコミュニケーション、共有できる一つの武器なのかなって逆に捉えてやっています」

自身の経験を生かし、患者に寄り添う。加藤さんも懸命のリハビリを重ね今、医療の現場に立っています。

■予期せぬ事故で下半身まひに

医学生時代（提供：加藤さん）

加藤さんは白馬村の出身。看護師の母の影響で、幼いころから医療の道に進もうと考えてきました。

加藤雄大医師：
「身近に医療職というのがありましたし、将来的に人の役に立ちたいと思いはかなり強く抱いていました」

夢を叶えるべく信州大学医学部に進学し、勉強や実習を重ねました。

国家試験を翌月に控えた2017年1月。加藤さんの身に予期せぬことが起きます。