
スターターを務める創業者の米山正敏さん(提供画像)
その創業者、米山正敏さんも若い頃は陸上の選手。
競技の指導もしてきました。
その思い入れの強さが高じて開発したのがー

米山正敏会長が開発したピストル
シナノ体器・米山和希社長:
「(正敏)会長が陸上用の、自分で考えて作ったピストルです」
孫の現社長・和希さんが大切に保管しているのは正敏さんが開発したスタート用ピストルの数々。

「光」で知らせるピストルを開発
当時は、ゴール地点で、音を合図に計測していましたがー
シナノ体器・米山和希社長:
「ヨーイドンでここ(先端)が光って向こうの方にわかるように。音だと時差が出てしまうので、ここに光るものを付けた」
より正確な「光」で知らせるピストルを開発。特許を取って生産を始めたのがシナノ体器の出発点です。
シナノ体器・米山和希社長:
「陸上が好きで、陸上のことしか頭になかったと思うし、ものづくりも好きだったので熱心に取り組んでいた。陸上のことが本当に好きだったんだと思いますね」
■大会を陰で支える小さな企業

2代目社長の米山淳さん(提供画像)
特許を大手メーカーに譲ってからはゼッケンの製造に軸足を置き2代目の社長・順さんが生産体制を強化しました。

「信州なかがわハーフマラソン」の大会運営も行う
さらに2018年まで行われた「信州なかがわハーフマラソン」は会社が実行委員会の中心となって運営。
初代、2代目と共に大会に携わってきた小沢工場長はこの経験がものづくりにも生かされていると話します。
シナノ体器・小沢健司工場長:
「大会を計画する側にもなったことがあるのでお客さんと(商品を)作る側というより、大会と同じスタッフの一員みたいな気持ちで(製作に)臨んでいるみたいなところがあるので、よりいいものを作って大会が成功できるといいなという気持ちで日々やってます

シナノ体器・米山和希社長
この3年の間に初代、2代目が亡くなり、2023年、別の仕事をしていた和希さんが社長に就任。
コロナ禍は注文が激減しましたが、イベントや大会が復活し2023年4月、過去最高の売り上げを記録しました。
シナノ体器・米山和希社長:
「長野県のスポーツ選手には中川村、小さな村でこういう全国規模でゼッケンを作っている会社があるとわかってほしいかな」

シナノ大器が手掛けたゼッケン
大きな大会を陰で支える小さな企業。
原点は陸上競技への情熱でした。