
リンゴが「ぼける」の表現を深堀り
「リンゴがぼける」。収穫から時間が経ち、やや水分が抜けたリンゴの食感を表現する言い回しです。長野県内ではおなじみですが、研究者の調査によりますと、この表現が通じる地域、通じない地域がはっきりしたそうです。旬のリンゴを例に産地と言葉の関係を掘り下げてみました。

長野市赤沼のリンゴ畑
こちらは長野市のリンゴ畑。農家の成田崇夫さんが収穫しているのは主力品種の「ふじ」です。今シーズンの栽培は霜や猛暑など天候不順の影響を受け、苦労したと言います。
リンゴ農家・成田崇夫さん:
「リンゴの花が咲いていたが、そのころに霜がおりてしまったので、リンゴの量が少ない。夏も暑くて、雨が少なくて水がなくて、玉伸びもあまり良くない。そうはいっても夏暑かったので、リンゴとしてはとても糖度の高い、甘いリンゴに仕上がっている」

成田屋直売所
リンゴは近くの直売所で販売されていて、多くの客が買い求めています。
新潟県から:
「評判がいいので、いつもここへ来ています」
市内から:
「ここは蜜が入っていて、とてもおいしい。友達もそれが良くて『蜜が入っていると味が違う』と」
リンゴの食感が変化 長野県民は「ぼける」「ぼけた」

リンゴが「ぼける」の表現についてー
収穫したばかりのみずみずしいリンゴ。
ただ、時間がたち、やや水分が抜けると食感が変わります。
こうした状態を県民は…

長野県民は「即答」
60代(須坂市在住):
「『ぼけてる』。(やっぱり使うんですね)使います」
20代(上田市在住):
「『ぼける』ですか。シャキッとしていないリンゴのことを言いますよね、『ぼける』と。親やばあちゃんがよく『このリンゴぼけてるわ、ダメだわ』と言っているのを聞いて、一緒に食べて、これ『ぼけてる』と覚えた」
20代(千曲市在住):
「『ぼけてる』、確かにそう言いますね。それ以外の言葉が見つからないくらい『ぼけてる』という表現が合っていると思います」
県外の人は… 「聞いたことない」「わからない」

県外の人は…
リンゴが『ぼける』。
県民は当然のように使う表現ですが、信州まつもと空港などで県外の人に聞くと…。