60万6000円と12万4000円。こちら何の金額かと言うと、市町村議会の議員報酬です。長野県内で最も高かった長野市議会と、最も低かった売木村議会の額です。売木村のような小規模町村共通の課題が議員の「なり手不足」。実は解決策の一つとして昨今、報酬を引き上げる動きが出ています。しかし、これには疑問の声も。県内の実情を探ってみました。
■長野県内の市町村議会の議員報酬は
NBSは県内の市町村議会の議員報酬を調べました。
19の市議会で長野市議会に次いで高かったのは松本市議会49万7000円。
最も低かったのは人口が少ない飯山市議会の26万4000円でした。
一方、町村では軽井沢町議会が最も高く26万1000円でした。
議員報酬は人口・財政規模によって異なることがわかります。
規模の小さい町村では20万未満が多く、こうした町村を中心に議員報酬の見直しが進んでいることも取材でわかりました。
■「なり手不足」で増額の動きも
人口1600人余りの生坂村。
2020年に議員報酬を見直しました。
55歳以下の「若手」に限り18万円から30万円に引き上げたのです。
背景にあったのは、深刻な議員の「なり手不足」。
生坂村議会・太田譲議長(50):
「若者世代だけに限らず、議員のなり手不足に対して、報酬問題は避けて通れない部分だと考えています」
村議選は2001年を最後に20年間、無投票が続き、2017年にはついに定員割れ。
そこで議会は懇談会や模擬議会を開催し、住民に関心を持ってもらう一方、子育て世代などの立候補を促そうと、民間企業の給与並みの報酬に引き上げました。
その成果か、2020年の村議選では定数8に対し9人が立候補。引き上げ対象の55歳以下は3人が立候補し、全員が当選しました。
2022年の補欠選挙にも5人が立候補。このうち、4人は55歳以下でした。
生坂村議会・太田譲議長(50):
「若手の議会参加で、新しい発想・提案などで行政を活性化するような提案もできていると思う」