
茎レタス
特集は期待の野菜です。それは長野県が新たに開発した主に茎の部分を食べる「茎レタス」。独特の食感と枝豆のような香りが特徴です。流通はこれからですが、一部の料理人たちが早くも太鼓判を押しています。

保勇孝亘さん(10月26日・塩尻市)
大きな葉と太い茎。見慣れぬ様相のこちらの野菜、実はー。
県野菜花き試験場・保勇孝亘さん:
「こちら『茎レタス』といいまして、茎を可食部としたレタスとなっております」

左:茎レタス 右:通常のレタス
通常のものからは想像しにくいですが、これもれっきとしたレタスの仲間。
県野菜花き試験場が開発した茎レタスの新品種「ひすいのかおり」です。

茎の断面
「ひすい」はゆでた時の色あい、そして「かおり」はー。
(記者リポート)
「あ、枝豆の香りですね」
県野菜花き試験場・保勇孝亘さん:
「そうですね、枝豆と同じ香り成分が含まれていますので」

茎レタス「ひすいのかおり」
茎レタスが発しているのは「2‐アセチル‐1‐ピロリン」という香り成分。
山形県庄内地方の特産品として知られる枝豆「だだちゃ豆」やポップコーンに含まれている成分です。

開発者の関功介 主任研究員
開発者はレタス担当だった関功介主任研究員(48)。
ある「気付き」が開発のきっかけとなりました。
県野菜花き試験場・関功介主任研究員:
「ここの圃場(ほじょう)ですね、見つけたのは」

発見当時の圃場 (画像提供:関功介さん)
歴代の担当者が集めたおよそ130種類の種をまき栽培していた関さん。
いつものように圃場を訪れたところー。
関功介さん:
「あれ何か大豆の匂いがするぞって思って。周りに大豆はないし、もしかしたらこの中にあるのかって、歩いて回ったらあったんですよね。これかと思って」

発見当時のイメージ
香りを発していたのは「茎ちしゃ」という名のレタスでした。
関功介さん:
「レタスの野生種の名前が『トゲチシャ』といいまして、茎を食べるタイプの『チシャ』だったので、『茎ちしゃ』と(種袋に)書いたんだろうなと思います。全く新しい品種が作れるかもしれないと、匂いをかいだ時にピンときたんですね」