地域の「サロン」などに積極的に参加―。
春原治子さん:
「施設に泊まった時に、思い出したのは実家の家。今の家が全然思い出せなくって。『困っちゃったな、どこに住んでいたっけ』って」
物忘れの経験も笑顔で話していました。
サロンの仲間:
「みんなと触れ合っていきいきしている。認知症ということを皆さんに告知して皆さんに支えてもらって、なかなかできないことだけど、それをやっていて素晴らしい」
春原治子さん:
「地域の皆さんが認知症について勉強してくれるから、私も安心してオープンにできると思う。『困ったら言ってね。助けてあげるから』という仲間がたくさんいる」
■「認知症希望大使」に任命

2020年、国から「認知症希望大使」に任命される
こうした姿勢が認められ、春原さんは2020年、国から「認知症希望大使」に任命され、各地で講演などを行ってきました。
認知症希望大使・春原治子さん(当時の講演):
「一番大事なのは、本人の気持ちを聞いていただいて、ともに歩んだり、発信の手助けをしてほしい。認知症になっても自分らしく暮らしていきたい」
認知症希望大使・春原治子さん:
「(若い人に)勉強していただいて理解してもらえるとありがたい」
前回の取材から2年半。言葉はさらに出にくくなり、直近の記憶だけでなくここ7~8年の間に経験したことなども思い出しづらくなっています。
活動をサポートする櫻井記子さん:
「この頃、言葉が出にくくなったと、物忘れが進んだと言っていた、治子さんが。本人の変化に注目すると固定観念にとらわれたりする。本人と一緒に考えていく」
■ありのままを受け入れて

イベントには積極的に参加する春原さん
それでもイベントなどには出来る限り参加し市民と交流しています。
参加者:
「どういうふうな状態になる?」
認知症希望大使・春原治子さん:
「本人は変わらないと思っている。希望を持って生きています」
春原さんに質問した人:
「もっと落ち込んで、さみしい感じの人かと思ったけど明るい感じの方で認知症になっても大丈夫かと思った」

認知症と診断された人にアドバイスも
21日は、最近、認知症と診断された人にアドバイスもしました。
認知症希望大使・春原治子さん:
「あまり苦にしないことです。ありのままを受け入れて、そうなんだって」

イベントでは認知症支援のシンボルカラー・オレンジのキバナコスモスを配った
病気を受け入れ最後まで自分らしく。認知症になってもそう生きる人が増えることを春原さんは願っています。
認知症希望大使・春原治子さん:
「認知症を正しく理解してもらいたい。(認知症でも)よりよく生きたいとか、やりたいことを一生懸命やるとか、考える力はあるので、物忘れはあるかもしれないけど自分で落ち込まない(でほしい)」